2014年09月21日

静かな五箇山のダム湖で防音診断


19日は金沢の工務店社長とYKKサッシの代理店社長と私と3人で富山の五箇山の山奥のダム湖のビジターセンターの防音診断でした。

ダムの桂湖はキャンピングカーでも泊まれる静かで風光明媚な公園になっています。


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ここは私の大好きな大笠山の登山口でもあります。

この静かな山奥でなんで音の問題が発生しているんだろうと最初は驚きました。

桂湖ビジターセンターの施設はダムの管理棟と自然観察館を兼ねています。

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訪れる人も最近多くなりこの山奥で携帯がつながらないので、管理棟の収納庫に携帯電話会社が電波の中継基地として機械を設置したのです。

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ところが訪れる人から機械のブーンという音が喧しいとクレームがつきました。

収納庫のすぐ横はダム湖が展望できテーブルが置いてあり、くつろぎの場所でした。静かにたたずむ湖を眺める場所に機械的音が気になるのです。

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現地では携帯電話会社の人、通信会社の人、ダムの管理棟の館長、我々と7人が防音をどうすればよいかを話合いです。

通信機は熱が出るので今は外部とは仮の木製のベニヤ板で仕切り、上部を熱を出すため木のルーバーで仕切っていました。

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木のルーバーの位置で騒音計で測ると53dB(A)でした。機械本体の位置で測ると57dBでした。(騒音計の測定写真を撮り忘れました)

このくらいの音でしたら、金沢の街中ではほとんど問題になりません。この湖の静かな場所なので問題が発生したのです。

周りの環境音(暗騒音)は35dBくらいなので機械が53dBですから、約20dBも差があり人間の聴音感覚では喧しいと感じてしまいます。

防音壁と防音ドアで完全に壁をつくれば簡単なのですが、携帯電話会社の人は中に熱がこもるので熱を出すことを考えてほしいと言われました。給気に防音フードつけ中の空気をダクト中間ファンで吐き出し、排気側の防音フードから排気すればいいとの意見も出ました。

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断熱と防音が専門の私は換気のモーターで空気を出せば熱は出るが、いくら静かな換気モーターをつけてもここの環境を考えれば、今度は換気のモーター音が問題となりますと話をしました。

結論は防音間仕切り壁をつくり、防音ドアを取り付け、間仕切り壁の上下の何か所かに防音フードをつけて自然対流で熱をだすことになりました。

音は止め、熱をだすという相反する問題を1時間余りの話合いで何とか結論が出ました。

工事は雪で通行止めになる前の11月中ごろまでとなります。

結論が出た後少し時間があり、館長さんが大笠山のあの雪でつぶれた7合目の山小屋はとりはらわれ、新たに頂上に避難小屋ができ、頂上で泊ることもできるのでぜひまた登りに来てくださいねと言われました。

登り4時間半、下り3時間半、速い足でも8時間歩くきつい大笠山ですが、また登りたくなりました。

帰りに林道脇の川から流れている清水の水を皆で飲むと工務店社長は

「これは冷たくで美味い水や。福田さんいいところ知っているな」とつぶやいていました。

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posted by 山男のつぶやき at 07:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
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