この正月、遊んでばかりではダメとたまには勉強しないとと思い、自分の仕事に関係する温熱環境の本を読みました。
東京大学の建築環境工学の第一人者の前先生の「エコハウスのウソ」改訂版です。
省エネ基準の義務化、人と健康、建物の外皮性能、冷房、夏への備え、吹き抜け大開口、と主なテーマで科学的なデーター、統計、サーモカメラ実測数値などを交え分かりやす言葉で書かれています。
その中でエコハウスで憧れが多い暖炉、薪ストーブのなるほどという記事がありました。
@薪の燃焼熱量は石油の半分しかない
A薪は遅くとも1年前に割ってしっかり乾燥させること
B水分の多い薪は多くの熱が水分を水蒸気にするのに使われ、部屋があまり暖かくならず効率が悪い
C煙突はは高くすること。1枚の金属の1重煙突だと外気に冷やされ煙の温度が下がり、煙が重くなるので不完全燃焼にもなり、煙突の機能不全のなる恐れがある。そのためタールがたまり煤が多くなりやすい。2重3重の断熱性を高めた煙突にすること。
D暖炉の置く場所の位置が大事である。薪ストーブの放射は距離は離れるほど急速にエネルギーが低下してしまう。距離の2乗に反比して減衰する。距離2倍になると4分の1、距離が3倍だと9分の1。ストーブの前に大きな造りつけのテーブルなど障害物を置かないこと。
E暖房に必要な熱量は家の断熱性能にのもよるが、1日の10kg以上の薪が必要。冬100日暖房するとすれば1000kg、1トンの薪が必要となる。それだけの薪を前年の年に割っておいてちゃんと乾燥する場所に保管し続けれる可能な家に限られる。
なるほど道理でわかりました。
暖炉のお家は新築1年目の冬は何とか薪を買い集めて暖房できたけど、2年目のなると大変で部屋の飾り物のなっているお家をよく見かけますね。
上の@からEまでの条件をそろえたお家が憧れの暖炉、薪ストーブを永く楽しむことができるんですね。
勉強になりました。施主様さんも設計士さんも工務店さんもとても参考になる記事でした。
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