2016年09月03日

JR線路前の高気密高断熱完成時の騒音測定と気密測定


9月1日は竃k製材所ウイッホーム様(小松市)の白山市の完成引き渡し前の気密測定でした。

JR美川駅のすぐ横のお家です。

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特急電車の通過の時、非常に喧しくすごい音でしたが、家の中に入ると電車が通過したことが気づかないほど中間工事中の気密測定で感じていました。

今回は自分の勉強にもなるので騒音測定をしてみました。

私はもともと騒音の音関係を専門としていましたが、この国家資格を持つていても北陸ではほとんど仕事がありません。

大都会では音の問題が多くあるので仕事として成り立ちます。

騒音測定は特に距離がとても大事です。音源側と受音側の距離の関係で騒音値が違います。これを距離減衰といいます。

今回、JR線路の柵からこの住宅の玄関前まで25mでした。

まず普通電車の駅に止まるため減速するので、玄関前で73.7dBでした。

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次に貨物電車の通過は81.2dBです。貨物電車はスピードは遅いので思ったよりも騒音値は低く感じます。

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問題の特急電車はなんと84.9dBとすごい音でした。

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線路わきの柵では簡単に90dBを超えています。

住宅の中は電車が通らない時は40.0dBでした。

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特急電車の通過時は55.6dBです。かすかに電車の音が聞こえる程度の静かさでした。

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音で一番弱いのは窓、換気、空調の穴等ですが、換気は床下熱交換なので関係していないと思われ、エアコンのない部屋の窓際1mで測りました。

84.9−55.6=29.3dBの遮音性のは窓の性能といってもいいと思います。

日本板硝子協会の公的試験機関のガラスの透過損失のデーターを見ると3mm+空気12mm+3mmのガラスは500hzで透過損失21dBです。電車の騒音は低音域の250HZも含むので17dBです。

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このお家の断熱仕様は屋根ウレタン吹き付け、壁セルロースファイバー、基礎断熱防蟻押し出しポリスチレンフォームです。

お家のサッシは樹脂のYKK APW330なので3mm+空気16mm+3mmです。

空気層16mmの公的遮音データーがないので、ガラスの遮音以上に遮音性能が高いのはまずガラスの空気層の厚みと壁のセルロースファイバーの吸音性、そして窓と壁の面積の割合で全体の遮音性能が高くなっていると考えられます。

とにかく線路の前のこの住宅は静かでした。

気密測定は中間工事中は0.1cm2/m2で、今回の完成時でも0.2cmと超高気密でした。

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音環境も温熱環境も優れた住宅でした。



posted by 山男のつぶやき at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
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