2021年04月07日

リフォーム防音室の騒音測定


4月1日は(有)ベストホーム様(富山県立山町)の富山県高岡市のリフォームの防音室の騒音測定でした。

既存の住宅の部屋を防音室に改造した現場です。

以前、工事にかかる前にお施主様とベストホームの営業の方が立ち合い、室内と隣地の音環境の測定をしている現場です。

お施主様は女性のプロのピアノの演奏家です。

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今回は大工さんの防音工事が終わり,これから内装クロス工事が始まる前に、実際室内で演奏してもらい、隣家の隣地境界線ブロック上でどれだけ音漏れがあるかの騒音測定です。

まだ工事中のため、グランドピアノは入れれないので、お施主様は電子ピアノを持ち込んで、実際演奏してもらいました。

電子ピアノを最大音量にして弾いてもらうと95dB(A)とかなりの音量です。

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営業、現場監督、大工さんが立ち合い、境界ブロック上ではほとんど音はきこえません。

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次に、室内の低音から高音までの各周波数ごとの音源を出し、受音側の隣地ブロック上で測定です。

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測定すると、中音域1000HZでなんと62.1dB(A)と超遮音度でした。

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この防音室は既存の部屋の室内側に再度床、壁、天井を造った工事です。大建工業の防音建材仕様でした。

壁より窓の遮音が弱いので、既存の窓の内側に内窓を取り付け、コインシデンス(共振現象、限界周波数)の発生を防ぐため既存の窓のガラスの厚みと違う厚みの内窓を取り付けて、既存の窓と内窓の空間は約330mmとってあり、距離減衰が働き、素晴らしい遮音性です。

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もちろん熱交換換気の配管外部には防音フードです。

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大建のクロス下地の音壁の針穴のように無数に開いている吸音はかなり効いており、手を叩いても反響音はありません。残響時間は0.5秒以下と思います。

残響時間というのは音圧が100万分の1(60dB(A))まで減衰する時間をいいます。
具体的な例としては100dB(A)の音が40d(A)まで減衰する時間です。

室内で手を叩けば大体の残響時間は分かりますが、正確には音響設計の分野となり、床、壁、天井の表面材の吸音率と部屋の容積を調べて音響計算すると分かります。
または特殊な騒音計で測定でも分かります。

人それぞれ音のライブが好きな人、デッドが好きな人で好みがありますが、一般的にはリスニングルームなどは理想的な残響時間は0.5秒くらいと言われています。


硬い壁、天井、床は反射音の圧力が高くフラッターエコー(平行波)がぶつかり合い、ビーンと空気が震えるようなノイズが発生します。

エコーがかかりすぎると話声が聞き取りにくく、聞き取りやすい残響時間は0.5秒くらいが良いとされています。

吸音しすぎるとスカスカの響きない、つやのない味気ない音になります。

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内装工事のクロス屋さんも来ていただきました。吸音率の良い布製クロスの施工しもらいます。

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営業の人と、お施主様から完成してグランドピアノを入れたときにもう一度測定してほしいと言われました。

背中から音を出す縦型のフットライトピアは90dB(A)くらいです

音がお腹から床下に出るグランドピアノは素人さんが弾くと90〜95dB(A)くらいの音圧ですが、プロですと、100dB(A)の音圧を出します。

私は趣味で津軽三味線を弾いていますが、最大で95dB(A)です。

95dB(A)もの津軽三味線なので、夜8時以降は近所に迷惑になるので、残念ながら弾けません。

ましてや100dB(A)のグランドピアノは徹底的な防音をしなけれななりません。

このお家の防音室はかなり高性能なので、グランドピアノを弾いても、夜10時〜朝6時の国の夜間住居地域(A及びB)の環境基準45dB(A)以下は充分クリヤーできると思います。





posted by 山男のつぶやき at 06:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
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