2010年11月11日

夏型結露、クロス壁の目地にカビ


工務店さんから相談だけど、と呼ばれ、エアコンのあるリフォームの現場でクロス目地にカビが生えていた、目地だけで他ほかはなんともない。
なぜだろうか?どうすればカビをとめられるという相談した。

これは壁の中が夏結露でカビが生えた逆転結露、いわゆる夏型壁内結露です。

特にエアコンの風の当たる壁の目地がカビが生えています。
エアコンで室内は除湿するのでカビの発生する条件は少なくなります。

しかし、真夏外気35度の猛暑で湿度80%でしたら飽和容積絶対湿度39.54×0.8=31.63g/m3の水蒸気量になります。
エアコンの冷風が当たる壁が26度とすると絶対湿度は24.34gですから、31.63−24.34=7.292g/m3が水に戻るつまり結露します。

温度差をなくすために壁の中に断熱材を入れますが、グラスウールだったので水蒸気が壁際まで来ており、壁下地のプラスターボードの突合せの目地を通りクロスの紙に結露したものです。

直すにはまず断熱力が足らないので断熱補強をして壁の中をまんべんに隙間なく施工し、外部の外装はそのままということなので、室内のプラスターボードと断熱材の間に防湿シートをはさんで外の水蒸気がクロスの紙にまで侵入ししないようにすればカビは防げますとお話しました。

最近の家はエアコンの普及で夏に壁の中で結露することが多くなっています。

グラスウールなど繊維系の断熱材は防湿シートの施工をする必要があります。
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posted by 山男のつぶやき at 06:59 | Comment(4) | TrackBack(0) | 結露
この記事へのコメント
とても難しくて中々理解できませんが、
ようは、最近の住宅はエアコンで壁の中に
結露しやすいということでしょうか?
なら、とてもびっくりでした・・・・。
エアコンは湿度を抑えるイメージだったから。
Posted by casket at 2010年11月11日 12:42
断熱・気密は福田様の得意分野ですね。
勉強に成りました。

そしてこの啓蒙活動が少しでもより良い住まい造りに役立つものと思います。続けて下さい。

其れしても、
正しい施工を学ばなかった工務店の責任が大きいのですが、断熱材のメーカー、そして取り扱う商社の責任も有りますね。
売れば良いとの姿勢が粗悪な住まいを造っているだと
一面言えますね。

もっとも最終的には創り手がその責任を負う事に成るのですが。
Posted by まじめな社長です. at 2010年11月11日 19:48
casketさん
エアコンは除湿して室内には結露しにくいのはよいことなのですが、夏の外気の高温多湿のときに問題が発生しやすいです。

外気の温度が高くなると空気に含み得る水蒸気が多くなります。

そうすると水蒸気分圧といって圧力の高いところから温度の低い水蒸気量の少ない圧力の低いところへ瞬時に移動します。これは水と同じです。

25℃の時、秒速630m(マッハ1.9)というジェット戦闘機並の速度で室内の壁まで侵入してくるのですね。

この室内の壁の温度が低いので壁裏で結露してしまいます。

今までは冬の結露ばかり心配していましたが、これからはエアコンの普及で夏の壁体内結露を防ぐ施工をしなければならなくなりました。

Posted by 山男のつぶやき at 2010年11月11日 22:38
米田様

ほんとにメーカー、問屋の売り手側の営業の人が正しい施工の仕方を造り手の住宅会社、工務店様に教えないといけないと思います。

売る側の人が断熱、気密、結露、カビなど温熱の基本的知識を持って欲しいですね。

このことを住宅の造り手に知らせる必要があります。

教えることができて初めて断熱材販売の資格のあるほんとのプロだ思います。

このプロが指導すれば結露の問題は起こらないと思いますね。
Posted by 福田温熱空調 at 2010年11月11日 22:53
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