2014年01月30日

長期優良化リフォームのセミナー


昨日は国の長期優良化リフォーム事業の研修がありました。

講師は日本住環境鰍フ北村忠男氏です。

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木造在来の既存住宅を耐震性、省エネルギー性、劣化対策、維持管理・更新の容易性の4項目について性能の向上をはかるものです。

それに対して国は64億7800万円の概算要求をして、1物件ついてこの工事の1/3、限度額100万円を補助しようとするものです。

既存の外壁を取り外し構造用合板を貼り耐震性をはかり、その合板の上に気密シート、そして板状断熱材、通気胴縁、外壁化粧材という順に施工するというものです。やはり外張りのリフォームでした。私はこれしかないと思っていました。

床は既存を触らず、基礎の外張り断熱して断熱補強する方法に国の考えが進んだなあと感心しました。
基礎の外断断熱は今までは床断熱が主流で、基礎の外断熱はまま子扱いのようでしたが、国が正式にこれを推進してきたのには非常に驚きでした。もちろんこの断熱材は防蟻断熱にしなければなりません。

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天井面の耐震性はやはり構造用合板をはり、気密シート、グラスウール300mm以上の吹き込み断熱です。

今回の長期優良リフォーム工事で一番大変なのは天井部分の工事ですね。雨の日はどうしても工事がしにくいのが難点です。
特に天井と屋根との高さが小さく懐がない屋根はいったん屋根材と野地板、小屋束を取りはずし、天井上面から構造用合板を張り、気密シート張りをして、その上に再度屋根を作る作業がていへんだなと思いました。

雨の日はは作業が出来ず、大きなお寺の修復工事のように屋根まですっぽりかぶる足場とシートが必要になります。

でも国交省が既存の住宅を建て替えるのではなくて、そのまま残し大改修する推進事業を進めることに大きな意味があります。

温熱環境の仕事をしている私が一番びっくりしたのは、この長期優良リフォーム事業の温熱性能の数値が明記されたことです。

1. 断熱性能 Q値1.6w/m2・k以下

2. 気密性能C値 0.5cm2/m2以下

3. 窓開口部 熱貫流率 U値 2.3w/m2・k以下

4. 換気回数  0.5回/h以上

5. 暖房性能 室内の上下温度差1〜2℃以内、気流速0.15m/s以下、窓からのコールドドラフトがないこと

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ここまで要求しています。私が日頃思っている住宅の温熱性能を国が明記していました。

セミナーの後、北村先生から、
「今回から、気密性能が重視されてきましたよ。福田さんこれから気密測定の仕事がますます増えてきますよ。福田さんも測定資格者の社員を入れないと1人で仕事がこなせなくなるかもしれませんね。」

「ほんとですか?いやね、この間、金沢大学を出て大工さんになった人がいましてね、現場の気密を測定後、気密測定技能者の試験は難しいかと聞かれたので、そんなに難しくないよ。金沢大学から比べれば簡単、簡単、受験するなら応援するよ。資格を取って私の仕事を手伝った欲しいな、と話したんです。」

北村先生は

「そうですか、測定が絶対増えてきますよ」

私は
「そうなればいいんですけどね・・・。」
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posted by 山男のつぶやき at 09:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 高断熱高気密
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