

福井の建材問屋アロックサンワのY課長と福井県あわら市の潟Lノシタ住宅様に同行する機会がありました。
地熱について話を聞きたいということです。
訪問してびっくり、地中2.5mのパイプをいれ住宅の家の中の空気をモーターで地下に送り冷やす実験棟がありました。

室内の空気を地下にまわすクローズドループという地中熱利用の方法です。
木下社長はもっと深く掘りたかったけど3mまで掘ると、細かい黒い砂にぶつかり掘削機をぬくと穴が崩れてしまい
それ以上掘るのは無理だったというのです。
2.5mの地下の温度は22℃でした。
しかし部屋の中の地熱の噴き出し温度は25℃、なぜ22℃にならないのだろう?かと相談を受けました。
私はまず実験棟の床、壁、天井、サッシの表面温度を輻射温度計で計ってみました。

壁、天井のプラスターボードの温度が30℃、2重サッシの室内側のガラスが32.5℃もあります。
外壁はタイペックシート、グラスウール、プラスターボードでした。
外装材がまだ貼っておらず直接太陽の熱がタイペックシートにあたっています。
それに地下から床下のパイプに保温材が巻いてありません。
私のアドバイスしたことは
外壁に通気の胴縁を打ち外装材を張ること。
地下からの床下のパイプの保温材を巻くこと。
現在、パイプが塩ビ管を使っているがこれをアルミジャバラの熱伝導率の良い物に替えてみること。
以上3点お話しました。
塩ビは熱伝導率は悪く、室内の暖かい空気に触れ地熱が追従していかないのです。
アルミの熱伝導率の良いものでしたらかなり追従します。
パイプの中で結露するので水中ポンプをいれ水をくみ上げる必要があります。
地熱のわずかな冷熱を室内に取り入れて冷やそうとしても建物の断熱、気密をしっかりしないと効果が現れません。
しかし福井のあわら市に工務店様でこのような実験棟を建て地熱の研究をしておられる社長様にお会いし、いろいろお話が出来てとても勉強になりました。
ありがとうございました。
posted by 山男のつぶやき at 07:02
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温熱環境