
このところエコ新築補助金30万円申請するために仕様規定、トレードオフも通らない難しい物件図面の温熱Q計算の依頼が増えてきました。
例えば、まず仕様規定で北陸W地域の天井は熱抵抗値4.0です。
グラスウール16kg/m3のB類の断熱材ですと180mmの厚みが必要です。
しかし100mmの予算しかなく仕様規定で不可なのでQ計算で通せないかとの話です。
そしてサッシもLOW−E熱貫流率2.33w/m2Kで全部すればトレードオフ規定を使えるのですが、一部南面、西面だけ、外部物入れは単板アルミのU値6.51w/m2Kの低い断熱性能のドアを使うなどした場合はトレードオフの申請はできません。
このような住宅でも施主様がエコ新築の30万円が欲しいという要望がたくさん増えてきました。
申請を通すには温熱計算で住宅性能評価機関の温熱Q値計算審査で合格認定を受ける方法があります。
設計士さんには通常の図面、設計図書ではダメで、次世代省エネ基準温熱Q値計算用の図面を書くようにお願いしていますが、10軒あるうちで3軒くらいで後の7軒は図面、仕様書の不備があり役所でチエックされ不可と指摘され戻されるのがほとんどです。
1. 玄関、勝手口、外部物入れ、ユニットバスの浴室の土間、基礎立上りの断熱施工の伏せ図
厚み、断熱の種類、などがない
2. サッシの熱貫流率U値の表記なし、サッシにつく日射遮蔽物のカーテン、ブラインド、障子の表記がない
3. 内断熱は柱、間柱、側桁、胴差しなど断熱材のない熱橋があるので側桁、胴差しの階間のプレカットの小屋組み構造図がない
4. 換気回数の気積計算のため、1階、2階も各部屋高さの寸法がない
5. サッシの窓面積がのべ床面積の30%以上もあり夏期日射所得係数0.07以下にならない
その他方位、屋根勾配の表示などがないので計算できません。
電話で聞いて計算しても役所では記載にないものを計算している図面との整合性がないと却下されます。
設計士さんは通常の図面で通ると思っている人が多く、こちらもそのつど説明しなければなりません。
施主様からこれだけエコ新築補助金30万円の要望が多いのですから、設計士さんも申請用図面、設計図書の書き方勉強をして欲しいですね。
posted by 山男のつぶやき at 11:40
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温熱Q値計算