2021年05月19日

2階の床の防音対策まで考えている高気密高断熱住宅の気密測定


5月15日は嵐建築さん(石川県能美市)の白山市の気密測定でした。

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外壁は断熱耐震パネルHP工法の住宅です。

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窓は樹脂窓YKK APW330です。

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屋根はアイシネンウレタン吹き付け断熱、屋根勾配なりに無垢の杉板を貼る仕様です。

ゆったりとした吹き抜けの大空間が良い感じですね。

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嵐建築の専務さんは剛床下の大引と断熱材の取り合い、剛床上の柱との取り合いまで、
上下ダブルで気密テープを貼っていました。

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換気システムはスウエーデンのガデリウス3種ダクト換気でした。

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配管はフレキダクトではなく塩ビ管です。

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フレキダクトは配管の中がどうしてもダゴダゴになりがちで、
その上、空気の抵抗が高いので同じ換気風量を回すのに、
中がすべすべの塩ビ管の方がはるかに換気モーターの負荷が小さくモーターが長持ちするから、「塩ビ管にしているんよ!」と、嵐さんから言われました。

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フレキダクトの配管内摩擦抵抗係数は1.0〜0.04で、塩ビ管は0.026です。

フレキと比べると塩ビ管の方が摩擦抵抗が小さくモーターの負荷が少ないので
モーターが長持ちします。

ただ施工しやすいフレキダクトと違い、塩ビ管の配管工事は大変な手間がかかりますので、
最近はフレキダクト配管がほとんどです。

手間暇がかかるのに、あえて塩ビ管施工にされる家造りの心に感銘しました。


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私も換気を本業としていて、以前塩ビ配管で30年経ったお家のメンテに行ったことがあります。一度もモーターの取替をしていないお家でした。

換気風量測定をしましたが、新築時と変わらない風量で全く風量は落ちておりません。
それで、メンテは給気口のフィルター交換だけでした。

配管の中がすべすべだと、換気のモーターがいかに長持ちするかが分かりました。

それと、このお家は2階の床衝撃音を防ぐために、
なんと板状生のグラスウールを2階床下に施工していました。

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紙やポリエチレンフィルムのない生のグラスウールは吸音率が高いのです。
それをよく知っている嵐さんは気密断熱、換気と防音対策まで考えて施工していました。

さて、気密測定のC値は0.2cm2/m2と素晴らしい数値です。

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可愛い娘さんとお施主様夫妻が立ち合いされ、測定器の数値を見て安心されておられました。

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2021年04月30日

グランドピアノの防音室の騒音測定


4月22日は(有)ベストホーム様(富山県立山町)の高岡市のグランドピアノの防音室の騒音測定でした。

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防音室の工事中に電子ピアノを持ち込み、弾いていただき測定しましたが、防音室が完成し、実際にグランドピアノとハープを実際に防音室で弾いていただき、隣家の隣地境界線でどれだけ音漏れがあるか測定です。

女性のお施主様のはプロの演奏家です。

隣地境界線上でかすかに音は聞こえますが、45dB(A)と何とか夜間10時から朝6時まで環境基準をクリヤーできました。

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ピアノは何度も測定していますが、ハープの生の演奏は始めて測定です。

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優しいハープの音色に癒されました。
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2021年04月07日

リフォーム防音室の騒音測定


4月1日は(有)ベストホーム様(富山県立山町)の富山県高岡市のリフォームの防音室の騒音測定でした。

既存の住宅の部屋を防音室に改造した現場です。

以前、工事にかかる前にお施主様とベストホームの営業の方が立ち合い、室内と隣地の音環境の測定をしている現場です。

お施主様は女性のプロのピアノの演奏家です。

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今回は大工さんの防音工事が終わり,これから内装クロス工事が始まる前に、実際室内で演奏してもらい、隣家の隣地境界線ブロック上でどれだけ音漏れがあるかの騒音測定です。

まだ工事中のため、グランドピアノは入れれないので、お施主様は電子ピアノを持ち込んで、実際演奏してもらいました。

電子ピアノを最大音量にして弾いてもらうと95dB(A)とかなりの音量です。

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営業、現場監督、大工さんが立ち合い、境界ブロック上ではほとんど音はきこえません。

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次に、室内の低音から高音までの各周波数ごとの音源を出し、受音側の隣地ブロック上で測定です。

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測定すると、中音域1000HZでなんと62.1dB(A)と超遮音度でした。

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この防音室は既存の部屋の室内側に再度床、壁、天井を造った工事です。大建工業の防音建材仕様でした。

壁より窓の遮音が弱いので、既存の窓の内側に内窓を取り付け、コインシデンス(共振現象、限界周波数)の発生を防ぐため既存の窓のガラスの厚みと違う厚みの内窓を取り付けて、既存の窓と内窓の空間は約330mmとってあり、距離減衰が働き、素晴らしい遮音性です。

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もちろん熱交換換気の配管外部には防音フードです。

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大建のクロス下地の音壁の針穴のように無数に開いている吸音はかなり効いており、手を叩いても反響音はありません。残響時間は0.5秒以下と思います。

残響時間というのは音圧が100万分の1(60dB(A))まで減衰する時間をいいます。
具体的な例としては100dB(A)の音が40d(A)まで減衰する時間です。

室内で手を叩けば大体の残響時間は分かりますが、正確には音響設計の分野となり、床、壁、天井の表面材の吸音率と部屋の容積を調べて音響計算すると分かります。
または特殊な騒音計で測定でも分かります。

人それぞれ音のライブが好きな人、デッドが好きな人で好みがありますが、一般的にはリスニングルームなどは理想的な残響時間は0.5秒くらいと言われています。


硬い壁、天井、床は反射音の圧力が高くフラッターエコー(平行波)がぶつかり合い、ビーンと空気が震えるようなノイズが発生します。

エコーがかかりすぎると話声が聞き取りにくく、聞き取りやすい残響時間は0.5秒くらいが良いとされています。

吸音しすぎるとスカスカの響きない、つやのない味気ない音になります。

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内装工事のクロス屋さんも来ていただきました。吸音率の良い布製クロスの施工しもらいます。

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営業の人と、お施主様から完成してグランドピアノを入れたときにもう一度測定してほしいと言われました。

背中から音を出す縦型のフットライトピアは90dB(A)くらいです

音がお腹から床下に出るグランドピアノは素人さんが弾くと90〜95dB(A)くらいの音圧ですが、プロですと、100dB(A)の音圧を出します。

私は趣味で津軽三味線を弾いていますが、最大で95dB(A)です。

95dB(A)もの津軽三味線なので、夜8時以降は近所に迷惑になるので、残念ながら弾けません。

ましてや100dB(A)のグランドピアノは徹底的な防音をしなけれななりません。

このお家の防音室はかなり高性能なので、グランドピアノを弾いても、夜10時〜朝6時の国の夜間住居地域(A及びB)の環境基準45dB(A)以下は充分クリヤーできると思います。





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2021年03月24日

アパートの上下階、界壁の騒音測定


22日は富山市の住宅会社様の新築アパートの上下階と界壁の騒音測定でした。

1階と2階は別世帯です。

2階の話し声、テレビの音などの空気伝番音と、また子供さんが飛んだり跳ねたりする床衝撃音などの個体伝搬音の測定です。


低音域から高音域の角周波数125HZ、250、500、1000、2000、4000HZ
周波数ごとの遮音度を測定します。

住宅会の工事、設計の方4人が来られました。会社の方に実際の測定などの音の体験をしてもらいました。


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まず各部屋の暗騒音(音を出さないときの環境音)を測定し、次に音源側の部屋でテープレーコーダーで周波数ごとの音源量の測定します。

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そして受音側の部屋で騒音値を測定し1階と2階の床の遮音度の計算しました。

今度は2階で飛んだり跳ねたりして真下の1階の部屋の遮音度の測定します。

この住宅会社の設計士さんはよく音の勉強をされて、2階の床下には1階部分の天井吊木をせずに、独立した太い梁から1階の天井の吊り木をつけ2階の床衝撃音の個体伝搬音が直接1階に伝わらないよう設計されていました。

空気伝搬も1000HZで61dB(A)と素晴らしい遮音度でした。

床衝撃音もさほど気にならないほどの遮音性能です。

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次にお隣の所帯との界壁の遮音測定です。

お隣の壁の遮音性能は1000HZで、53dB(A)と上下階より遮音度が落ちていました。

袋状のロックウール100oを入れ遮音シートを貼り12.5mmのPB貼にクロス仕上げでした。

袋状のクラフト紙やポリエチレンフイルムあると吸音性能が上がりません。

そこで設計士さんにはグラスウールの板状生(フィルム、クラフト紙なし)の密度32kg/m3を界壁に入れるとかなり吸音率が良くなり、音の減衰効果があるとアドバイスしました。

騒音、防音も専門としている私ですが、毎日、高気密高断熱住宅の気密測定、温熱外皮UA計算、換気計画、換気計算、換気配管経路などにどっぷりとつかっている仕事をしていると、久しぶりに音の仕事が何か新鮮な感じがしました。


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2019年03月27日

2階のトイレの音が気になる(後半)


おはようございます、健太郎です。

前回に続き、『 2階のトイレの音が気になる 』に対し
対策した自分の家の話です。

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やはり、吹き抜けがある家だと
2階のトイレの音が気になるとよく耳にします。
そんな方たちの参考になればと思います。

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さらに...。
うちの間取りは1階のユニットバスの真上が
2階のトイレになります。
お風呂に入っているときに、2階のトイレを使われると
『ザッバーン!!、ボコボコボコ...。』と凄まじい
排水の音が聞こえます。

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そこで...。
ユニットバスの点検口から
2階トイレの床下を確認しました。

うちはフォームライトSLさんのウレタン吹付断熱なのですが
2階床下にも吹付してくれてます。
またトイレの排水配管には吸音シートが
キチンと巻いてありました。


それなのになぜ凄まじい排水音がするの!!


『 やはり吸音が間に合ってないのだろう。
 グラスウールを片面裸にして貼り付けると効果がある』と
 うちの社長がアドバイスしてくれました。

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と言うことでやってきましたホームセンター。
最近ではある程度グラスウールを置いてくれています。

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吸音用ですが100ミリの厚みは欲しいです。
予算とサイズの関係からマットエース10kgを購入しました。

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早速 家に戻り、グラスウールの袋の片面を破りました。
あとユニットバスの上でグラスウールが長いと
施工しずらいので半分にカット。

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いや〜思いのほかきれいに貼れません。
吸音したい側に裸にしたグラスウールを
向けて貼り付けます。
断熱が目的だったら隙間があるのでNGですね。

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取り合えず2階トイレの床部と排水配管を覆い
吸音させるのが目的。
ここでタッカー、気密テープ、高級気密テープの
ユラソールもふんだんに使い貼り付けました。

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うちでは光ケーブルをユニットバスの上に落とし
そこからLAN配線を12本ほどはわしていますので
配線を避けるのが大変。

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続いて床下に向かう排水配管を巻いていきます。
ユニットバス上部で約1.8メーターほど
巻きましたが難儀でした。

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最後に屋根裏からトイレ天井に移動し
グラスウールを貼り付けました。(ダウンライト避けて)

写真はないですがトイレの間仕切り壁の中に
グラスウールを押し込みました。
もちろん室内側に裸にした
グラスウールを向けて...。

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終了したときには
腕が傷だらけに... (*_*;

その甲斐あってか
2階トイレの音が以前に比べ3分の1ほどになりました。
これで来客中に2階でトイレを使用しても
恥ずかしくない様になりました。

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お風呂に入っているときに
2階のトイレを使われても
遠くの方で排水の音が聞こえる...。レベルになりました。

裸のグラスウールで吸音作戦
効果ありです(^^♪


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2019年03月26日

2階のトイレの音が気になる(前半)


おはようございます、健太郎です。

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自分の家のトイレの話です...。

うちには吹き抜けがあるのですか
そのせいか2階のトイレの音が
かなりリアルに聞こえます。

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子供たちが2階トイレに籠ることも多く(スマホか?)
最近ではドア全開で用を足しているのでは?
と思うほどでした。

そこで対策することに...。



★ 対策1 引き戸のクリアランスを見直す

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うちのトイレは引き戸。
よく見ると引き戸とドア枠のクリアランスが
5ミリ以上の開いています。
これは開き過ぎでしょ〜。

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引き戸にはクリアランスを調整する
ネジがありました。
極力隙間を無くすようにプラスドライバーで
調整しました。(上下左右)


★ 対策2 モヘアを調整する

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モヘアってドア枠についている
モケモケの毛のことです。
この毛の長さを調整できることを
最近知りました。

こいつを長く伸ばすとドアとの
クリアランスが狭くなります。

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調整箇所は4箇所。
マイナスドライバーより
1円玉の方が調整し易いです。(調整幅4ミリ)

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ここまで毛が伸びました。

ここまでの対策で少しは音が消えるのか?
試しにトイレの水を流しましたが
効果は微妙...。


★ 対策3 隙間埋めスポンジを貼り付ける

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これはやりたくはなかったのですが
もう隙間埋めスポンジ(すきまテープ)に頼るしかない。
引き戸とドア枠の隙間にすきまテープを貼ります。

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引き戸を外して、すきまテープを
しっかり貼りました。

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こんな感じです。
モヘヤのとなりに
すきまテープを貼りました。

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引き戸を入れるとこんな感じ。
ほぼほぼ隙間なし!!!
戸の開閉で「ザーッ」とスポンジが擦れる音がします。
嫌でしたが効果が出ればすべて良し。

子供にテストしてもらいました。
効果ありです!
効果ありですが、排水の音が消えていません。

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あと、うちはユニットバスの上が
2階トイレの配置になります。

お風呂に入っているときに
2階のトイレを使われると
『 ザッバーン!!、ゴボゴボゴボ... 』と
ディズニーランドのスプラッシュマウンテンばりの
音が天井から聞こえます。(うひゃ〜)

今回の対策ではそれらの音には
まったく効果がなかったという結果でした(*_*;
リベンジは後半で。


to be contenued...。
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2018年11月21日

優しい気配り仮設トイレ、手作ペーパーボックスと音対策


15日は潟zリケン様(津幡町)の富山県小矢部市の気密測定でした。

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現場の仮設トイレに入ると、なんと木の端材で手作りのトイレットペーパーのボックスにペーパーが入っていました。以前から仮設トイレにボックスを作っておられます。

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今回も堀専務さんが手作りで作ったものです。現場の職人さんに気持ちよく使ってもらうよう優しい心づかいを感じを感じます。

気密ポイントの柱、床の取り合いは丁寧に気密テープとコーキングされていました。

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窓は樹脂窓YKK APW 330。

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気密C値は0.4cm2でした。

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堀専務さんは測定器を見て確認されていました。

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ここの現場もう一つの特徴はトイレの音が伝わりにくいように壁にGWで吸音されています。

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音源のトイレ側は袋状のグラスウールのポリエチレンフイルムを取り、GW現しの生にして反対側の壁はクラフトフィルムの耳の部分をタッカーで止めていました。

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ポリエチレンフイルムの袋状だと高音域の音は殆ど吸音されません。

GW密度10kg50oでは中高音域2000HZ、17%、3200HZ、11%、なんと4000HZでは5%しか吸音をしないのです。全音域平均吸音率N.R.Cは58%です。

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全音域でも半分ちょっとの吸音性能です。

これはポリエチレンフィルムが吸音を邪魔しているのです。

GW32kgで袋状でない生だと4000HZでは94%、、N.R.Cは87%です。

GW48kgですと、4000HZ、97%、N.R.Cは91%となります。

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堀専務さんは防音の基本をよく知っておられ、トイレ側は生にされています。

入り口のトイレドアを防音性の高いものにするとまずトイレのあのザ〜とする水の音はまず聴こえないと思います。

仮設トイレの手作りのボックスの心づかいといい、トイレの音対策といい細かい部分の気遣いに感銘しました。
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2018年06月14日

ドラムスタディオカフェ建設地の騒音測定


騒音、防音も専門としている私ですが、設計事務所さんから金沢でドラムバンドスタディオ防音喫茶室の建設地の夜の測定依頼がありました。

夜中12時近くまでドラムエレキバンドなど楽器が趣味の人の防音喫茶店を営業するとうことなので、夜22時過ぎに現地で周りの暗騒音(環境音)を測定です。

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金沢の街中の大通りの道路に面している現場なので、夜でもさぞかし騒音値は高いだろうと測定したところ道路歩道面上は走る車の台数やスピードによりますが、52.1dB(A)〜75dB(A)の変動騒音値でした。

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問題の現地の後ろの民家住宅の隣地境界上で36.2dB(A)と非常に静かだったのです。
これは大通り道路より20m近く距離が離れているので距離減衰が働くためです。

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ドラムは騒音の音圧は最大130dB(A)近くなるので130−36=94dB(A)と90dB(A)近く防音室の遮音性能を高めないとクレームがつきます。

木造では遮音度最大50dB(A)なので不可です。やはり鉄筋コンクリートのRC構造です。

単体のRCでも70〜80dB(A)なのでRC構造の室内側に強化PBと吸音材など多重構造にしないと90dB(A)の遮音はできません。

まず防音は楽器を使う時間帯に合わせて、現地で暗騒音を測定した数値から防音設計を考えるのが基本です。

もっと車の音がやかましく、壁、天井の遮音は重装備でなくてもよいだろうと私も、設計士さんも想像していました。

しかし意外に夜遅くは非常に静かな場所でした。

そのためもう一度壁、天井、床の防音構造の再検討となりました。


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2017年07月01日

換気給気口の吸音材の騒音測定


29日は高気密高断熱住宅の完成で施主様立ち合いのもと、換気の流量調整と換気給気口のサイレンサーの騒音測定でした。

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換気は抜群によく空気が回っていました。換気風量調整の後は騒音測定です。

このお家の前の幹線道路は車の交通量が多くお施主様の要望で、2階の子供さんの部屋の換気給気口にイン・ノーという吸音材をつけています。

実際どの位、部屋が静かになるか知りたいということで騒音測定をしました。


すぐ前の道路の歩道で70.2dB(A)室内の給気口で測ると60.7dB(A)でサイレンサーは約10dB(A)減衰していました。

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イン・ノーはスポンジのような構造での中芯のコアを何本か抜いて外気の取入れと吸音効果を高めるものです。

給気口のすぐ前は60.7dB(A)でしたが、子供さんが寝るベットの位置は41〜43d(A)です。約20dB(A)も減衰で施主様も納得して安心されていました。

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2016年09月03日

JR線路前の高気密高断熱完成時の騒音測定と気密測定


9月1日は竃k製材所ウイッホーム様(小松市)の白山市の完成引き渡し前の気密測定でした。

JR美川駅のすぐ横のお家です。

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特急電車の通過の時、非常に喧しくすごい音でしたが、家の中に入ると電車が通過したことが気づかないほど中間工事中の気密測定で感じていました。

今回は自分の勉強にもなるので騒音測定をしてみました。

私はもともと騒音の音関係を専門としていましたが、この国家資格を持つていても北陸ではほとんど仕事がありません。

大都会では音の問題が多くあるので仕事として成り立ちます。

騒音測定は特に距離がとても大事です。音源側と受音側の距離の関係で騒音値が違います。これを距離減衰といいます。

今回、JR線路の柵からこの住宅の玄関前まで25mでした。

まず普通電車の駅に止まるため減速するので、玄関前で73.7dBでした。

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次に貨物電車の通過は81.2dBです。貨物電車はスピードは遅いので思ったよりも騒音値は低く感じます。

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問題の特急電車はなんと84.9dBとすごい音でした。

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線路わきの柵では簡単に90dBを超えています。

住宅の中は電車が通らない時は40.0dBでした。

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特急電車の通過時は55.6dBです。かすかに電車の音が聞こえる程度の静かさでした。

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音で一番弱いのは窓、換気、空調の穴等ですが、換気は床下熱交換なので関係していないと思われ、エアコンのない部屋の窓際1mで測りました。

84.9−55.6=29.3dBの遮音性のは窓の性能といってもいいと思います。

日本板硝子協会の公的試験機関のガラスの透過損失のデーターを見ると3mm+空気12mm+3mmのガラスは500hzで透過損失21dBです。電車の騒音は低音域の250HZも含むので17dBです。

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このお家の断熱仕様は屋根ウレタン吹き付け、壁セルロースファイバー、基礎断熱防蟻押し出しポリスチレンフォームです。

お家のサッシは樹脂のYKK APW330なので3mm+空気16mm+3mmです。

空気層16mmの公的遮音データーがないので、ガラスの遮音以上に遮音性能が高いのはまずガラスの空気層の厚みと壁のセルロースファイバーの吸音性、そして窓と壁の面積の割合で全体の遮音性能が高くなっていると考えられます。

とにかく線路の前のこの住宅は静かでした。

気密測定は中間工事中は0.1cm2/m2で、今回の完成時でも0.2cmと超高気密でした。

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音環境も温熱環境も優れた住宅でした。



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2016年06月14日

完成間近か、ドラム防音室、徹底吸音


防音ドラム室がほぼ完成まじかとなりました。

大音量の音圧を長時間、耳に暴露を受けると、難聴になる危険性があるのでドラム室は遮音はもちろん、徹底的に吸音を高めました。

防音建は大建工業など素敵なデザインの天井吸音材がありますが、今回は吸音を最大に高めるために派手さはないですが、ガラスクロス額縁貼工法にしました。

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250HZ、70%、500hz以上の音域は、100%と大変吸音性能の良い防音材です。

この商品は、放送スタディオ、コンサートホールなどに使われている性能重視の防音材です。

床は浮き床工法、壁は吸音性の高いオトカベ仕様です。

 
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この後実際にドラムをたたいてもらい、防音ドア回り、換気空調ダクト回りからの音漏れがないか騒音測定します。
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2016年05月18日

防音ドラム室の浮き床下地工事始まる


防音も専門としいる私ですが、ドラム室の浮き床下地の工事が始まりました。

ドラムは木造では完璧な遮音は無理なのでRC構造です。

RCなので空気伝搬で外部に漏れる心配はいりません。

しかしドラムの烈しく叩くコンクリート、鉄筋から伝わる個体伝搬は完全に絶縁しないと伝わります。

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そこで浮き床の足とRC壁のとの接点はゴムで絶縁します。

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またRCからの寒さ防止のため床下には厚い断熱材入れての施工です。


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これから壁、床、天井の多重貼の工事がスタートです。

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内装の仕上げ前に実際にドラムの演奏してもらい、個体伝番や空調からの音漏れがないか騒音計ではかり確認の仕事はまだまださきになります。




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2015年12月03日

防音ドラム室の換気ダクトの遮音計画


今年の春に住宅会社より防音ドラム室の計画がありました。いろいろ、何度も変更になりやっと工事に着工することになりました。

大きな木造2階建住宅で1階部分にピアノ室、リスニングルーム、ドラム室の3つの防音室です。

高気密高断熱の温熱環境が私の仕事ですが、音環境の防音も私の専門職です。

音響設計、透過損失のdB計算、騒音測定の仕事は大都会と違い石川県ではそんなにありません。

久しぶりに本格的な音響スタディオの仕事ができそうです。

木造ではドラムの遮音は不可能なので、ドラム室だけはRC構造にしました。

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まず音を止める遮音が第一で吸音は内装の防音吸音材でいくらでもアレンジできます。

残響時間はやはり0.3秒くらいの目標としています。

残響時間というのは60dB(音のエネルギーが100万分の1まで減衰する)時間です。ドラムの音圧が110dBとすると50dBまで減衰する時間が0.3秒とうことです。

残響時間は部屋の容積と床、壁、天井の防音内装吸音材の各種表面面積とそれぞれの吸音率の数値のデーターがわかれば関数電卓で計算します。

狭い防音室で大音量の長時間演奏すると、聴覚神経に障害が起きる危険性があるので、耳に負担をかけないようにできるだけ残響時間を短くしなければなりません。

構造上隣の部屋の天井裏をどうしても通過しなけらばならない熱交換換気システムのダクトからの音漏れをどうするかが課題でした。

熱交換換気はせいぜい30dBくらいの遮音なので、断熱吸音ダクトを併用しますが、難しいダクトの距離減衰計算をしなけばなりません。今回のドラム室と換気本体の位置、ダクトの長さの距離が短いのでかなり厳しい条件を克服しなければならないのです。

まずRC防音室を先行して工事をし途中ドラムをたたいてもらい、お隣の部屋で騒音計測定してどれだけ実際音漏れするか測るので、お隣の部屋の天井だけはそのあとから始めてほしいと設計士さんにお話しました。

もしダクトの漏れがあれば吸音材をさらに巻き一回り大きいスパイラル管で通して遮音する計画の安全策の話までしました。

高気密高断熱は冬と夏にならないと評価の結果は出ませんが、防音工事は音を出した瞬間に成功か失敗かの結果が出ます。

真剣勝負が来年1月から始まりそうです。でもやりがいのある仕事です。





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2015年07月06日

防音室工事中にトランペットの音出し


鰍bONCEPT建築設計様(金沢市)の富山県射水市の高気密高断熱住宅の中の防音室工事中で、お施主様にトランペットの音だしをしてもらい防音測定をしました。

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施主様はトランペットの奏者です。高気密高断熱住宅の中にトランペット防音室というかなり技術を要する工事です。

私は気密断熱と防音、騒音を専門としていますので、防音工事の怖さはよく知っています。

高気密高断熱は冬と夏に合否の結果がでます。防音工事は楽器の演奏をした瞬間に合格か不合格がでます。

それだけに工事中間で音出しをしないと完成してからでは直せません。

大工さんが工事中に中間で音を出してもらい、ダメな部分は直す必要があります。

防音室の壁の内装化粧吸音材は貼られていない状態でしたが、お施主様にトランペットを吹いてもらうと最大音圧レベル111.2dB(A)でした。

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平均音圧レベルは108dB(A)です

防音室の外の外壁の窓位置から50cm離れた距離で平均音圧レベル測定数値61dB(A)でした。


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防音室外壁の遮音度数値は47dB(A)でした。

防音室の窓は現在、YKKAPWのトリプルガラス窓単体です。換気口は防音フードの取り付けがまだなしで、気密テープで塞いだ条件での測定で遮音度が47dB(A)でしたら、防音工事の結果は合格です。

現場でCONCEPTの橋本社長さんには、APWの窓の室内側のインナーサッシのこれから取り付ける窓ガラスの厚みは、APW430のガラスの厚みと違う厚みのガラスを必ずつ使って下さいとお話しました。

ガラスが同じ厚みだとコインシデンス効果(限界周波数)の影響で音が抜ける周波数の音域があります。厚みを変えることでそれぞれの弱い部分を補いガラスの遮音度を上げなければなりません。

防音フードが現場にありました、長さ約80cm、これを取り付け、ガラスの厚みを替えたインナーサッシを取り付けると、おそらく外の隣地境界線上で45dB(A)以下になり国の環境基準をクリアーできると思います。

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完成時の測定が楽しみです。


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2015年05月27日

五箇山桂湖ビジターセンター防音工事


25日は富山県南砺市の五箇山の桂湖の自然観察施設、ビジターセンターの防音工事をしました。

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私の好きな何度も登っている大笠山の登山口にある施設です。

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ここは自然観察館で館内はカモシカ、熊、鳥などのはく製などがあり五箇山の自然を学習するするところです。

施設の裏はダム湖の桂湖を眺めるテラスがあり、静かなところです。


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山奥なので今まで携帯電話が通じませんでした。携帯の電波が通じるようにテラスの横の物入れに携帯電話会社が通信機を設置し、携帯が通じるようになりました。(ドコモとソフトバンクのみ,AUはまだ不可)

この通信機が音と熱を出すので簡単な木板で囲いをしたのですが、ブーンという低音域の音で静かなところを求めてきた人達から喧しいとクレームがついたのです。


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ここの騒音の測定調査依頼があり、去年9月19日に私と、工務店の社長、サッシ会社、通信機会社関係の人とここの館長さんとでこの現地で防音対策の方法について話し合いをしました。

音を遮音するは簡単なのですが、問題は機械が熱を出すので機械室が暑くならないよう空気を回して熱を逃がすという音はとめ、空気を回すという相反する難しい工事となりました。

当初、換気扇で空気を回す意見もありました。

メーカーの換気扇のカタログの騒音値は低いもので30dBと書いてありますが、機械室内のコンクリートに換気扇の音の反射音や拡散音なので音の増幅があり、おそらく38d近くまでになりこの音でクレームがつく危険性があります。

そこで私からの提案でここは自然換気しかないとお話しました。

通信機の熱の対流を起こす方法として、出入りできるドア付きの防音間仕切り壁の下と上に防音フードとサイレンサーを付け、冷たい重い空気を下から吸い、暖かくなった機械室の軽い空気を上の防音フードから出し、空気の自然対流を利用すれば機械室の熱をとることができると、私から話をしてこの案で決定しました。

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11月になると雪が降り、豪雪地域なので工事ができず、結局雪の解けた5月25日に工事となったのです。

五箇山の国道から100mくらい入った桂湖の道路のゲイトは例年でしたら、大型連休前の4月末には開通するのですが、今年はつい最近まで2mほど雪があったそうで、ゲイトには鍵がかかっており、開通していませんでした。

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館長さんに連絡をして鍵を開けてもらいました。

館長さんはこの週末の30日開通を予定しているということです。このゲイトからビジターセンターまで登りの道路が4kmありますので、今は大笠山の日帰り登山ができません。


先ず間仕切り壁メーカーの職人さんが木目調の特注の防音壁の施工から開始です。

通信機械の騒音値は57.2dBです。

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コンクリートに枠を取り付けます。

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壁の取り付け、防音フード用の穴あけ


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防音壁の取り付け


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防音壁と防音ドアの取り付けはお昼までかかりました。


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お昼でメーカーの職人さんは帰り、これから我々が機械室のコンクリートの天井と一部壁に吸音用グラスウールをとめるスピンドルピンをボンドでコンクリートにとめます。

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板状グラスウールをピンの上から差し込み、化粧ボタンをさらにその上からピンに差し込みGWが落ちないようにします。


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この工法は工場騒音で以前よくやりました。

次に防音フードの取り付けと室内側のフードの穴のダクトにサイレンサーをはめ込みます。

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この穴からの音漏れに細心の注意をはらわなければなりません。立派な防音壁があってもこの穴から音漏れがすれば防音の意味がないからです。

防音フードだけでは心配なので、あえて防音サイレンサーのダブルで遮音、吸音を強化しました。

機械室の床は外部のテラスの木の隙間のあるフローリングと同じです。ここの防音をしなければなりません。


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ここはゴムの防音マットを敷き込みます。

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夕方6時過ぎまでかかりやっと完成しました。

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館長さんに立ち会し騒音計で測ると32.1dBでした。機械の騒音値が57.2ですから25.1dBも遮音ができほっとしました。

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館長さんもニコニコ顔でした。

これで静かな環境になりました。桂湖の静かな大自然を求めてたくさんの人が来てほしく思います。いいところです。
posted by 山男のつぶやき at 08:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2015年04月13日

ドラム室はガラスクロス額縁にしよう!


この間から防音室の見積もりで予算オーバーで頭を悩ましていました。

大建工業の防音建材で見積もったのですが、予算がないからここまで出せないと、住宅会社の担当者から他社メーカーで考えてくれんかとの言われていました。

そこで「デザインやかっこよさ別にしてくれるなら、吸音性能の高い旭ファイバーのガラスクロス額縁貼りでどうでしょうか?」

と私から提案しました。

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「わかった。福田さんに任せるよ。頼むね」

ドラムは低音域の125HZ〜250HZの周波数の音が大きく、ここを最大に吸音できる材料を選びます。

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生の板状グラスウールが最大ですが、工場騒音なら使えますが、防音スタディオにはとてもつかえないので、意匠性を考えるとガラスクロス額縁貼りが良いと考えました。


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ドラムの遮音は床、壁、天井はRCコンクリート構造にしますので、遮音は先ず大丈夫です。

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問題はドラムという大音量を音をいかに吸音して弱めるかです。

平均音圧レベル85dB以上を長時間、耳に暴露を受けると聴覚障害の恐れがあります。

昔、長年機織り機械工場で働いてきた人が耳の聞こえが悪くなり、職業性難聴の人が増えたことでも知られています。

人の耳に優しいドラム室は徹底的に吸音です。

今回の防音室は予算と遮音吸音性性能の両立という難しいテーマでした。




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2015年03月31日

防音スタディオ@、A、B


この間から住宅会社の1級建築士さんから本格的なドラム、トランペットなどのスタディオ@、リスニングルームA、ピアノ室Bの防音室の設計見積りで何度も相談がありました。

いろいろ音の専門メーカーに問い合わせし見積りはもらったが、いざ工事を見てほしいと言うとみんなはそれはそちらでしてくださいと逃げる。工事を見てくれる人がいない、とうことです。

この見積り価格内で出来るなら、あんたからすべて防音材を仕入れるので工事を見てほしいと私に話がありました。


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温熱環境が私の仕事ですが、騒音、防音も私の専門です。

しかし音関係の仕事は北陸では少なく、ほとんど商売にはなりません。


音響設計、遮音、吸音、透過損失計算、残響特性、防音工事などかなり専門技術を要します。

ご指名を受け嬉しいのですが、工事前の綿密な打ち合わせと現場指導が大変です。

温熱環境は冬と夏になると結果がわかります。しかし音は演奏した瞬間、不可、可かの結果の答えが出ますので真剣勝負です。








posted by 山男のつぶやき at 06:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2015年02月24日

通信機械の騒音測定と防音


取引先の社長より電話がありました。

「福田さん、病院の通信機が喧しく騒音測定して防音をどうすればよいか現地を見てくれんか」

大きな病院なので病院内の通信をする機械でした。

測定結果は67.3dB(A)でした。低い音の低周波なのでまず遮音、吸音の多重構造を勧めました。



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また床から振動で伝わる個体伝搬を防ぐために機械の下にゴムを敷くことお話ししました。

この機械は熱が発生するため完全にふさぐことはできず、メンテの為点検口を設けなければなりません。

ふ〜む!簡単そうで難しい防音工事です。



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2014年11月07日

耳栓しないと寝れないんです


隣の撚糸工場の音が喧しく、夜耳栓しないと寝れないという人から騒音の相談がありました。

正月3日以外24時間稼働している工場でした。

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何度も工場の経営者に夜は静かにしてほしい訴えているのに、直してくれないということで弁護士に相談しているということです。

弁護士からは裁判になると騒音の国家資格の人の騒音測定データーが必要と言われ私に電話をかけてきたのでした。

国の環境基準、都道府県、市町村にも騒音基準があります。

ここの場所の市の騒音基準はC地域、相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域隣地境界線上で夜間50㏈以下でした。

測定すると68.5㏈でした。周りの環境、暗騒音は45㏈でしたので18.5㏈もオーバーして喧しいはずです。

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裁判になると時間がかかりますが、おそらく和解の方向で解決となる思うので頑張ってほしいと、過去の裁判事例をお話しました。

posted by 山男のつぶやき at 07:25 | Comment(2) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2014年09月21日

静かな五箇山のダム湖で防音診断


19日は金沢の工務店社長とYKKサッシの代理店社長と私と3人で富山の五箇山の山奥のダム湖のビジターセンターの防音診断でした。

ダムの桂湖はキャンピングカーでも泊まれる静かで風光明媚な公園になっています。


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ここは私の大好きな大笠山の登山口でもあります。

この静かな山奥でなんで音の問題が発生しているんだろうと最初は驚きました。

桂湖ビジターセンターの施設はダムの管理棟と自然観察館を兼ねています。

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訪れる人も最近多くなりこの山奥で携帯がつながらないので、管理棟の収納庫に携帯電話会社が電波の中継基地として機械を設置したのです。

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ところが訪れる人から機械のブーンという音が喧しいとクレームがつきました。

収納庫のすぐ横はダム湖が展望できテーブルが置いてあり、くつろぎの場所でした。静かにたたずむ湖を眺める場所に機械的音が気になるのです。

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現地では携帯電話会社の人、通信会社の人、ダムの管理棟の館長、我々と7人が防音をどうすればよいかを話合いです。

通信機は熱が出るので今は外部とは仮の木製のベニヤ板で仕切り、上部を熱を出すため木のルーバーで仕切っていました。

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木のルーバーの位置で騒音計で測ると53dB(A)でした。機械本体の位置で測ると57dBでした。(騒音計の測定写真を撮り忘れました)

このくらいの音でしたら、金沢の街中ではほとんど問題になりません。この湖の静かな場所なので問題が発生したのです。

周りの環境音(暗騒音)は35dBくらいなので機械が53dBですから、約20dBも差があり人間の聴音感覚では喧しいと感じてしまいます。

防音壁と防音ドアで完全に壁をつくれば簡単なのですが、携帯電話会社の人は中に熱がこもるので熱を出すことを考えてほしいと言われました。給気に防音フードつけ中の空気をダクト中間ファンで吐き出し、排気側の防音フードから排気すればいいとの意見も出ました。

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断熱と防音が専門の私は換気のモーターで空気を出せば熱は出るが、いくら静かな換気モーターをつけてもここの環境を考えれば、今度は換気のモーター音が問題となりますと話をしました。

結論は防音間仕切り壁をつくり、防音ドアを取り付け、間仕切り壁の上下の何か所かに防音フードをつけて自然対流で熱をだすことになりました。

音は止め、熱をだすという相反する問題を1時間余りの話合いで何とか結論が出ました。

工事は雪で通行止めになる前の11月中ごろまでとなります。

結論が出た後少し時間があり、館長さんが大笠山のあの雪でつぶれた7合目の山小屋はとりはらわれ、新たに頂上に避難小屋ができ、頂上で泊ることもできるのでぜひまた登りに来てくださいねと言われました。

登り4時間半、下り3時間半、速い足でも8時間歩くきつい大笠山ですが、また登りたくなりました。

帰りに林道脇の川から流れている清水の水を皆で飲むと工務店社長は

「これは冷たくで美味い水や。福田さんいいところ知っているな」とつぶやいていました。

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posted by 山男のつぶやき at 07:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
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