2013年11月23日

エコキュート騒音訴訟、和解でやっと解決


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私は住宅の温熱環境が仕事ですが、もう一つ音環境も専門としています。しかし音ではほとんど商売にはなりません。今ではもっぱら音の悩み相談を全国の人から受け、ボランティアですね。

私のブログ記事にも何度も書きましたが、エコキュートやエアコンの室外機の騒音で夜寝られないという睡眠障害が起きています。

特に安い深夜電力で真夜中に稼働するエコキュートの騒音が社会問題となりました。

2009年2月に群馬県の高崎市で隣地に新築された住宅のエコキュートの室外機の低周波騒音で、睡眠障害でメーカーと住宅会社を相手取り2011年に訴訟が起こされました。

この訴訟の代理人の高崎市の井坂弁護士さんは自分の記事に詳しく書かれています。

結論は残念ながら和解でのみしか解決できなかったことです。結局、加害者側がエコキュートを自費で撤去して音の出ない電気温水器にかえたことでやっと解決したのです。

この裁判はエコキュートのメーカー、工務店、住宅会社の中で室外機の騒音で注目された裁判でした。

環境基準では深夜10時から朝6時を深夜時間とし、住宅地では騒音値を45dB(A)以下にする基準があります。

45dB(A)以下でも100Hz以下の低周波によって、睡眠障害、頭痛、血圧上昇、目まいなどの健康障害が起きています。

これを避けるために設計事務所、住宅会社、工務店はよく理解し、隣地の住宅に騒音の影響を少なくする対策をしなければなりません。

たとえば防音壁を設けるとか、室外機を出来るだけ隣地の住宅から離して設置する、狭い場所で隣地との距離がなく無理であれば、電気温水器を勧めるなど考慮しないと最終的にはこのような訴訟を起こされることになる可能性があります。

残念ながら裁判で低周波騒音と健康に関する因果関係まで踏み込んだことまでは判断されませんでしたが、エコキュートが設置され騒音問題が発生し裁判になり4年の歳月がかかった事実です。

被害者側も加害者側も4年という長い間、この問題に縛られるということです。

でも和解でしか解決できなっかったエコキュート騒音ですが、エコキュート騒音に警笛を鳴らした大きな前進です。
posted by 山男のつぶやき at 07:30 | Comment(4) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2012年12月28日

日経ホームビルダーに私の室外機の騒音対策の記事


11月の初めに工務店、住宅会社、設計事務所向けの東京の住宅技術専門全国誌の日経ホームビルダーの記者が来られ、エコキュートやエアコンの室外機の騒音問題の取材を受けました。

1月号のその記事が載りました。

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エコキュートの室外機の音を近隣に迷惑をかけないような防音対策を書いています。

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室外機は通常、貯湯タンクより15m、5曲がりまで可能です。
お隣がすぐ近くに寝室やリビングが面している場合には、できるだけ室外機を離れた場所へ設置することでかなりの騒音問題が解決します。

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また室外機の防音壁で一部囲む方法も提案しました。自宅に記者が半日もおられいろいろ技術的なお話をしたのですが、さすが記事の専門家ですね。限られた紙面の中でポイントを絞りわかりやすく記事を書いてくれました。

ただ残念なことに私の「福田温熱空調」が「福田温熱環境」になっていました。
昨日、東京の記者に電話したら初めて気づき、誠に申し訳ありませんと言われましたが、自分の名前はどうであれ私の騒音記事でエコキュートの騒音が少しでも世間にお役に立ち解決すればそれで充分ですと返事しました。

私の仕事は熱と音の環境問題をテーマとしています。考えてみると、福田温熱環境のほうが仕事の内容がわかりいいかも知れませんね。
posted by 山男のつぶやき at 09:18 | Comment(2) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2012年11月03日

東京の日経ホームビルダーから取材


昨日は私のところに住宅の技術系の専門全国誌の日経ホームビルダーのO氏が来れれ取材を受けました。

2年前に住宅の換気のクレームについて取材され、全国誌の私の記事が載りましたが、今回はエコキュートやエアコンの室外機の騒音のクレーム問題がテーマです。

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私は温熱環境と、音環境の仕事をしています。

さすがベテラン記者のO氏はよく勉強されいろいろ騒音問題に詳しく質問されました。

100HZ以下の低周波騒音で夜眠れない苦情が全国で起きています。

環境省は音の物理的障害と心情的障害とに分け、物理的障害はA特性側定値、心的障害にはG特性という独自の騒音測定値の参照値というガイドラインを出しこの参照値を超えるものを低周波騒音公害とみなしています。

心的障害を受ける人が参照値以下であれば、10%の人が障害を受ける可能性があるが、90%の人には問題がないというガイドラインです。

G特性とう騒音測定はG特性補正回路のある騒音レベルレコーダーで計らないとわかりません。

通常の騒音計は物理量C特性と人間の感覚量に補正したA特性が計れます。

G特性は特殊な騒音計で低周波騒音の分析をのためにつくられた測定機です。

この参照値が問題になっています。このG特性の参照値が基準以下でも多くの人が眠れないなど障害を受けているのです。
この参照値のガイドラインで全国の都道府県、市町村の行政機関が基準の参考としており、低周波騒音公害はないと判断し、訴えが認められない現状が起きているのです。

私一人がブログで書いてもほとんどの人は知りませんので、全国誌に載せてもらえば少しでも音を出している人と障害を受ける人に少しでも考えてもらえ、お役にたてればいいなと思っています。

まあこんな話を0氏としました。

来月か1月号に記事を載せる予定と言われました。

とんな記事になるのか楽しみですね。
posted by 山男のつぶやき at 07:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2012年08月31日

防音、遮音技術の研修


昨日は石川県工業試験場で防音遮音技術の研修会に参加しました。

講師は(財)小林理化学研究所の吉村先生です。

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14〜15名の参加者があり、パーティションのメーカーや建設会社の技術者、断熱防音工事関係者など技術者です。

私がこの国家資格「騒音関係公害防止管理者」を取ったのは19年前です。

金沢には試験会場がなく大阪まで毎年試験を受け3年目にやっと合格ました。

音の性質、遮音、吸音、騒音対策、環境基準、公害対策基本法など私にはかなり難しい試験でした。

計算はほとんど√ルート計算とlogのロガリズム計算です。

昨日は久しぶりに基本に返り、この計算、測定の勉強をしました。

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物体には必ず音に当たるとある音域がぬけて透過する物理的性質があります。

これをコインシデンス効果、又は固有振動数、限界周波数とも言います。

たとえばガラス3mmでは高音域の4250hzが抜けます。5mmでは2530hzの中音域が弱いです。

ですから同じ厚みのガラスを2重にしてもその弱い音域がぬけてしまいます。

そのため性質が違うガラスを2重にすると遮音性能がぐっと上がります。

これは防音の基本中の基本ですが、昨日の先生のお話で真ん中に薄い膜をサンドイッチした合わせガラスは技術的に進歩して音抜けが非常に少なくなり性能が良くなったと言われました。

合わせガラスは車のフロントガラスなど安全ガラスとして使われています。

講義が終わり県の職員が新しくできた音響試験室に案内してくれました。
去年完成の素晴らしい試験室で音源側、受音側を見せてもらいました。

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金沢工業大学にもこれと同じ音響試験室があります。

県の職員の方はいつでも建築材料やドア、間仕切り戸など遮音性能など測れますので利用してくださいとPRしていました。


posted by 山男のつぶやき at 07:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2012年07月25日

オーディオルームの視聴会


5月17日のブログにも書きましたが金沢の前田ホーム様のN様邸のオーディオルームが完成、N様のご好意でオーディオの鑑賞をさせていただきました。

アンプだけでも10台以上、最大は高さ1.5m、90kgのスピーカーは大迫力の音でした。

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高温から低音まできれいな透き通るような音色でした。まるでコンサートホールにいるようでした。

真空管を使った方が音色がいいとN様が言われていました。

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CDだけでも3000枚以上あり順番に並べ整理しないと違うところへ入れると次に探すのに大変だそうです。

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騒音計で室内と外で計ると当初計画していた遮音度以上でまったく外には漏れておりませんでした。室内は残響を抑えかなり吸音を強く内装を仕上げています。

オーディオ機器は温度と湿度で、特に湿度は50〜60%の間にして除湿機を付けっぱなししているそうで、湿度が高くなるとスピーカーからの音色に影響しいい音にならないそうです。

自分がかかわった音響の仕事ですので、お客様が満足されて大変うれしいですね。
posted by 山男のつぶやき at 06:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2012年05月17日

オーディオルーム完成、90kgのアンプ移動


約1ケ月前から工事にかかっていた車庫を大改造のオーデイオルームが完成。
お施主様のアンプの移動を皆でしました。

外国の有名なアンプで重さは90kg、高さ1.5m、いやあ大変でした。


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お施主様には工務店の社長と遮音、吸音などお話して、、お施主様の要望など打ち合わせをしています。

オーディオの方は特に音響関係が詳しく、音の響き、残響時間など言われることがあります。

音をとめる遮音はそんなに難しくはないのですが、残響特性までになるとかなり複雑な計算をしてその通り施工をしなけれなばなりません。

でもやりがいのある仕事です。
posted by 山男のつぶやき at 06:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2012年04月08日

ピアノ室の防音工事


ピアノ室のサッシを内窓をつけ壁、天井に遮音シートとプラスターボードを貼り、天井は吸音効果の高い天井材をはった防音リフォーム工事がありました。

リフォーム工事が完了し工務店の専務さんから以前とどのくらい遮音改良されたか測定を頼まれました。

音源はグランドピアノは95dBです。

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サッシの外は以前は70dBでしたが内窓をつけたので53dBになり17dBも低くなり効果が出ています。

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今回は換気扇と床は予算的なことで全く直しておらず以前のままです。

換気扇の外部フードで69dB、床下の基礎の風窓で73dBでした。

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防音工事というのはすべての穴、隙間を直さないと完璧なものになりません。

専務さんは換気扇は予想していたが、床の基礎の外部の風窓からこんなにもれているとはと思ってもいなかったと防音工事の難しさを実感していました。

防音というのはバケツが1箇所でも穴があるとそこから水か漏れるのと同じです。

床、壁、天井、窓、換気扇すべてを考えなければなりません。
posted by 山男のつぶやき at 06:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年12月18日

ピアノ室の防音測定


お得意先の専務さんから既存のピアノ室の防音改修の計画があり、現状の騒音測定の相談がありました。

ご近所からクレームは出ていないのですが、この際、防音をしたいというお客様のお家です。
グランドピアノでした。

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ピアノをひいてもらうと92から95dBです。
そして左お隣の1.5m離れた境界線上で65dB、道路側の出窓の前で70dBでした。

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この地域は住宅地なので昼間は55dB以下、夜間10時から朝6時までは45dB以下の国の環境基準があります。

夜間でしたら20dBのオーバーしています。

今専務さんが計画しているのは既存の天井、壁の上に遮音、吸音材を施工し、窓はインナーサッシを取り付ける計画です。

このお家の左に面する窓は6mmの空気層のペアガラスでしたが、これだけでは音は止めれません。

室内側の窓枠をふかしてできるだけ空気層をつけガラスの厚みを変えてペアガラスのインナーサッシをつけるようアドバイスをしました。
posted by 山男のつぶやき at 07:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年11月19日

低周波騒音障害


福田さん相談があるんだけど・・・・と携帯にある方から電話がありました。

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その方は低周波騒音障害で悩んでいる人です。

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音はごらんの図のように音の疎密波で伝播します。池や海の波のように波頭から次の波頭の長さを波長と呼んでいます。
常温15℃で1秒間に340m伝播します。

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普通の軽音楽でしたら周波数は1000Hz〜2000Hzくらいです。

1000Hzでしたら波長は340÷1000=0.34m(34cm)ですね。
低周波は100Hz以下のことです。(波長3.4cm以下)
超低周波は20Hz以下になります。

この方は道路の車のタイヤ音などに反応して夜眠れないので睡眠導入剤を飲み、常に小さな軽音楽(音をマスクする、マスキング効果)を鳴らしながら寝ています。
この方の家の横の空き地に住宅が建つことになり、その工事中の音が心配でどうしたらよいだろうかということでした。

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工事用の防音シートを足場にかけてもらい住宅会社にお願いすることまで考えておられました。

私は

「工事中は夜ではないので少し我慢しなければなりませんよ。それより図面が出来上がっていればエコキュートやエアコンの室外機がこちら側に来ないかお聞きしておかないといけません。もしこちら側でしたら自分が騒音障害者なので位置の変更をお願いする必要があります。」
とアドバイスしました。

その方は工事中の音ばかり気にしていましたので室外機の音まで気がついておらず、

「助かりました。住宅会社に相談してみます、ありがとう。」と言われました。

日本の屋内の環境基準は40dB(A)以下です。

しかしヨーロッパでは睡眠確保のための指針は30〜35、アメリカの環境保護庁の指針は屋内で32dB(A)以下です。

住宅の音で弱い部分は外壁、屋根、換気扇の穴、空調電気の穴、それともっとも大きいのは窓ですね。
この窓の防音対策が一番大事になります。

住宅会社や工務店様は騒音障害の方の家の場合は特に音に配慮した計画が必要です。
posted by 山男のつぶやき at 12:42 | Comment(4) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年11月03日

わあ!でっかいクーリングタワーの防音対策


先日福井の空調工事関係の会社より保育園の屋上の空調設備のリニューアルをしたがこの音の防音対策について相談がありました。

昨日はお得意先の工務店様と空調工事屋さんと現場の屋上の現地調査をしました。

なんと以前より大きくなり3台も連続のクーリングタワーです。

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すでに工事屋さんは試運転して騒音測定済みで本体から1m後退したところで71dB(A)でした。

最近のクーリングタワーは意外と静かですね。

この保育園から隣地の住宅との距離は3m、屋上の機械から約6mです。
距離減衰の式はLA=LW−20logR−8なので計算をしてみると計算上では48dB(A)です。

夜間10時から朝6時までは45dB(A)以下の環境基準を少しオーバーします。

ただ保育園は夕方7時近くまでなので隣地に住宅の間での騒音は問題はないと思われます。
しかし以前も防音壁があったので万が一のこと考え防音壁をどのように造り、いくらぐらい工事費用がかかるか見積もりしてほしい
ということです。

工務店さんといろいろ現地をみて検討し高速道路や新幹線のあの上部がL型に少し曲げた防音壁を製作することにしました。
鉄骨で組み立て外装は厚いケイカル板、音源側は低周波に対して一番吸音の良い32Kの板状グラスウールそれに雨の進入を防ぐアルミガラリの構造です。
しかし防音壁は最高に遮音できても15dB(A)までが限界です。

この新しいクリーリングタワーは低騒音型なのでこの15d(A)の防音壁でしたら充分吸音、遮音が出来周りの住宅の音環境は守れます。
今月11月半ばから寒くなるので空調を使うと思われますので防音壁が必要かどうかの結果が出ます。

必要な場合はこのような構造の防音壁にすればよいと空調工事屋さんにお話しました。
posted by 山男のつぶやき at 06:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年10月25日

クーリングタワーの防音相談


私の仕事は温熱環境と防音の音環境です。

昨日、突然知らない方から、クーリングタワーの防音工事ができないかと問い合わせがありました。

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ある施設の空調を入れ替え屋上のクーリングタワーも新しくしたけど騒音が心配で防音壁を設置したいと言われました。
どうして私を知ったのかとお聞きするとNETで「北陸、室外機の騒音」と検索したら私のブログと建材ナビに登録している広告が開いたそうです。

一度現地を見て騒音測定をして工事業者を紹介しますよとお話しました。
インターネットの情報はすごいですね。
posted by 山男のつぶやき at 09:04 | Comment(2) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年08月01日

また室外機の騒音のメールが・・・。


またエアコンの室外機の騒音のメールが来ました。

お隣の窓用エアコンの室外機とこちらの家の窓までが36cmとあまりにも近く、音がやかましく、どうすればよいでしょうかとの悩みの相談です。

お隣との隣人関係はわるくないということなので、まずお隣に実情をお話しする勇気を持ちましょうとアドバイスしました。
隣の人が音で迷惑を近隣にかけていることを知ってもらえば解決方法が見つかると思います。

御隣との隣人関係をよくしながら、実情を訴えればお隣もこちらとの関係をよくしたいと通常でしたら思います。
ソフトな話し合いが一番早い解決になると思いますね。
posted by 山男のつぶやき at 15:00 | Comment(2) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年06月01日

エコキュートの騒音、被害者宅が防音の自己防衛


隣の新築住宅のエコキュートの室外機がこちらの居間と2階の寝室む向けて、境界ブロックから1mの場所にあります。


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その騒音で夜眠られずお隣が室外機の移動を約束したのに、移動されず、境界のブロックにアルミの目隠しフェンスを立てただけで被害者宅が仕方なく自分の家を防音工事しました。

本来は加害者がしなければならないことです。

こちらの被害者の人はこれ以上トラブリたくないと、自費で自宅の防音工事をしたのです。
話はまったくあべこべです。

私が最初にアドバイスしたのは

1.まず窓が弱いので室内側にインナーのペアガラスのサッシをつける、それも既存の窓のガラスの厚みと違う厚みのガラスにする。

2.居間と寝室の外壁の換気扇の外部のフードを防音フードの替えること、換気扇と外部フードのパイプの中に吸音のサイレンサーをはめ込むこと

以上のアドバイスを被害者宅にしました。

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工事が終わり防音の様子を見にお伺いしたところご主人が

「福田さん!おかげで何とか夜寝れるようになりました。特に家内が夜不眠症になっていたので助かりましたワ。」

「そうですか。よかったですね。」

そして奥様が私に

「実はネ!真夜中に隣のエコキュートの音がやかましく寝れなくて、お医者さんから睡眠導入剤を飲んでいたんですよ。」

「へえ!薬を!あまり薬は飲まないほうがいいですよ。」

「これで何とか薬を飲まなくてすみそうです。」

私がご主人に

「この工事費用どのくらいかかったですか?」

「いや金額はここではいえないけど、ウン十万円ほどです。」

本来は加害者がエコキュートの室外機の防音をすべきなのに被害者の方がやむにやまれずウン十万円も出して自己防衛をしたのです。

メーカーの室外機の騒音値は38dBですが、現地に設置するとブロックや犬走りコンクリート、外壁のサイディングなどに反響し反響音や拡散音が7dBほど音圧が高くなります。

住居地域の45dBの環境基準がクリヤーできるかどうかぎりぎりのところです。

予防、解決策としては

1・ 請負の工務店さんは新築の間取りプランの段階でお隣とエコキュートの室外機の位置関係を調べ、まずいときは施主さんに位置変更の説明をすること。

2・ お隣のLDKや寝室に室外機を向けないこと。どうしても向かうときは防音壁を設けること。

3・ メーカーの担当者と販売店は売ることばかりでなく工務店さんに周りの家を見て、位置関係を図面でチエックしてアドバイスを必ずすること。

4・ メーカーや販売店は音のクレーム事例の情報を共有し、工務店さんにクレームがおきないように指導するまでが販売と思うこと。

今回は加害者の方もこのようなことが起きて、自分が加害者となるなんて知らなかった思います。
よく考えれば知らされていなかった被害者でもあるのです。

微力ながら、私はブログで何度もこの室外機の騒音問題を訴えてきました。

これからも訴え続けていきます。、少しでも室外機の騒音が少なくなればと思っています
posted by 山男のつぶやき at 19:24 | Comment(14) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年04月27日

電気温水器の勧めと取り扱い説明


昨日は新築引越ししたばかりのお施主様に電気温水器の取り扱い説明を致しました。

過去私のブログに何度もエコキュートの室外機の騒音問題を書きましたが
隣地が狭くお隣との距離がないのでエコキュートの騒音問題が起こる可能性があり、工務店様には電気温水器を勧めたお家です。
敷地が広く郊外の団地でお隣との距離がある場合はエコキュートを勧めますが、このような狭い場所では音の出ない電気温水器が一番安心です。

お施主様にはお湯の量や温度、時刻の設定、深夜電力の時間など細かく説明しました。
もし震災でもおきて水道が使えなくなっても非常用水源としての使い方など説明すると、「へえ!そんな使い方があるの」と安心されました。
posted by 山男のつぶやき at 06:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年04月19日

またもやエコキュートの室外機の騒音(3) 解決策


ではどのような騒音の解決策があるのでしょうか。

被害者の人と相談をしてきた5年前に被害者のお家を建てた会社の工事マンに次のような6項目のアドバイスをしました。

@ 被害者と加害者どうしの話し合いも大事ですが、どうしても感情的になるので第三者を立て話し合いをすること。
   今回は工事マンがもう一度加害者にお話をすることになりました。

A 公的測定機関に加害者と被害者と室外機のメーカーと第三者とが立会いして騒音測定をすること。
   公的機関とは都道府県や市の公害課や環境管理課です。
   メーカーには測定のため日中でも強制的に運転モードに切り替えて室外機を運転してもらうことができます。

B 加害者に室外機の移設をお願いすること。 移設先は回りに騒音の影響のない場所に限ります。

C 移設できない場合は室外機を覆う防音壁をつくってもらうこと。現場の条件に合ったいろいろな防音壁があります。

D 移設、防音壁も加害者がしていただけない場合は被害者側の家を騒音から守る対策をしなければなりません。
   まず音に一番弱いのは窓です。
   被害者側の家の窓の室内側に複層ペアガラスの内窓をつけます。そのとき既存の窓のガラスの厚みと違うガラスを必ず内窓のガラス  
   のどれが1枚を厚みをかえて下さい。同じ厚みですと2重にしてもある音域の音が漏れ易いからです。これは専門用語でコインシデンス 
   効果といいますがこれを防せがなければなりません。

E  室外機に面した被害者側の家の外壁に換気のための給気口や排気口があると音の侵入があるので外部を防音フードに取り替える必 
   要があります。

以上のアドバイスをしました。 このような位置に設置した相手側の工務店さんやメーカーの担当者がちよっと気を使って設計段階で他の場所に取り付ければこのような騒音問題がなかったのです。 またこれを知らされておらず近所から苦情を受けた加害者側の人も逆に被害者なのです。知ると知らないでは天国と地獄の差程あります。
posted by 山男のつぶやき at 07:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年04月18日

またもやエコキュートの室外機の騒音(2) 環境基準


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写真は2階の寝室の窓から見たお隣のエコキュートの室外機です。

国の環境基準は夜間10時から翌朝6時までを住居地域では隣地境界線上45dB以下にしなければなりません。
どこのメーカーでもカタログにはほとんど38dBと表示されていますが、それは公的な試験機関の無響室でのデーターです。

現場はサイディングやブロック、土間の犬走りコンクリートなどがあり反射音や拡散音などで音圧が高まり私の過去の測定では平均7dB以上増幅しています。

つまり38が45になってしまい環境基準をクリヤーできるかどうかのギリギリなのです。
このことを建築請負の住宅会社、工務店様に知ってエコキュートの設置位置をよく考えなければなりません。

それにモーターの回転音なので100HZ以下の低周波が出ています。
そんな簡単には遮音はできません。
posted by 山男のつぶやき at 06:47 | Comment(2) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年04月17日

またもやエコキュートの室外機の騒音(1)現状


またもやエコキュートの室外機の騒音で相談がありました。

取引先の住宅会社の工事マンからの依頼です。

5年前にこの会社で建てられたお客様が家の横に建った新築住宅のエコキュートの室外機の音で寝れないというのです。
さっそくお伺いして横の新築のエコキュートの室外機の位置と距離を測ると境界ブロックまでで90cmしかありません。こちらの家の外壁までは境界ブロックから1mです。

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横地は今まで空き地だったところに今年の1月の半ばに住宅が完成、引越ししてきたということです。
被害者のご夫婦にお聞きしたところこのエコキュートの真向かい面した2階が寝室でサッシは複合ペアガラスサッシの9尺の中連引き違い窓でした。
エコキュートの室外機の音で真夜中に目が覚めそれから寝れなくなったと私にどうすればよいかと切実に相談されました。

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もうあまりにも我慢の限界で隣の人に苦情を行って直しておしいというと、写真の用に目隠しのアルミフェンスをブロックの上に立てただけです。
これでは全く効果がありません。
お隣の人はこれですることはしたというのです。
posted by 山男のつぶやき at 06:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年02月19日

ふうーむ、やっぱり室外機の騒音か!


今日は5年前防音工事をされた方より電話があり、以前は後の新築の家のエアコンの室外機の音で、自宅の外壁、軒裏に遮音シートと防火サイディンを貼り、サッシを防音タイプにして自分を音から守った人です。

本来は後の新築の家の人がするべきなのに近所付き合いの関係で言えず自宅を防音工事したのです。
その時はいろいろアドバイスをさせていただきました。

今日お会いすると後の家のエアコンは御蔭で気にならなくなった。今度は玄関側の横の家のエアコンの音がやかましく感じ夜中でもキーンという低い音で悩まされている、心臓がドキドキして寝れない時があるどのように防音したらよいかとの相談です。玄関も風除室をつけ玄関横からの音の進入は防ぐ工事をされいます。(下記の写真は加害者のエアコンではありません)

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この方は2階の奥がが寝室です。
玄関側の横の家のエアコンとは距離が離れていますが、やはり単板ガラスのサッシでは音に弱く、サッシの室内側にペアガラスのインナーサッシを薦めました。
今インナーサッシをつけると国からエコポイントがもらえるのでいい機会ですよとお話しました。
玄関側の隣のエアコンの室外機の音に面しているサッシは4箇所あります。これを全部防音しないと音を防ぐのは難しいのです。

何で被害者の人がお金をかけて自宅を防音工事をしなければならないのか、これは加害者が室外機を防音壁など設置して防音をしなければならないことなのです。
非常に憤りを感じます。
posted by 山男のつぶやき at 18:47 | Comment(13) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2011年02月14日

室外機の騒音相談のメール


私は温熱環境と騒音環境の仕事をしていますが、私の「山男のつぶやき」のブログのアクセスの解析を見ると1日平均300件のアクセスのうち、平均50人の人が私の室外機の騒音問題の記事を誰かがクリックしています。

つい最近では関東の方で新築したばかりでエコキュートとエアコンの室外機で後の家からクレームがあり、役所からも指摘され、とても悩んでおられ、どのようにすればよいかメールをいただきました。

全館空調のかなり大きな能力のエアコンの室外機が入っているようで、空調屋さんに騒音を計って調べたところ運転し始めが70dBもあることがわかりました。

この方にはFAXで自宅と隣近所の位置関係と隣地境界の距離mを送ってもらい私なりにアドバイスしました。

FAXをよく見ると横のお家もエコキュートとエアコンの室外機があり、横の家の室外機の防音対策もしないと後の家からの騒音のクレームを止めることが難しいとわかりました。

これだけ室外機が多く使われている現状を考えると、町内地域全体の問題として防音対策を考えなければならない時代になりました。

それともう一つはまわり近所の日頃からの挨拶や町内の行事に参加しない、などのコミュニケーション不足が大きな原因になっているように思います。
日頃の気軽に話しかけるコミュニケーションがあれば不満を事前にキャッちして、問題が大きくならない前に防音対策が出来ると思います。
posted by 山男のつぶやき at 10:32 | Comment(6) | TrackBack(0) | 騒音と防音
2010年04月04日

エコキュートの騒音38dBが44dBに


IMG_3288.jpg    先日新築2年ほど住まれている家の奥様から自宅のエコキュートの音で眠れないという住宅会社からの相談がありました。

この会社とエコキュートのメーカーは室外機の位置を反対方向に新品に置き換えまでしてクレームに対応していました。

それでも解決しないので私が防音診断することになりました。

まずメーカーのカタログの騒音値は38dB(A)でした。数値は公的な検査機関の無響室ではかります。

現場は犬走りの土間、基礎、サイディング、ブロックなどあるので反射音があり44.6dB(A)と6.6dB(A)も音圧が大きくなっています。

国の環境基準では隣地境界線上で住居地域では深夜時間10時〜朝6時まで45dB(A)以下になっています。

この現場は何とかクリヤーしていました。

今回は自宅のエコキュートの音で眠れないとの訴えです。

私を含め3人の人が音を聞きましたがなんとも感じませんでした。

奥様は深夜エコキュートが回っていると寝ている耳元にワウーン、ワウーンと響くような音が聞こえるというのです。

そこで周波数分析の125HZ〜4000HZの音を出して聞いてもらいました。
いずれもこのこの音ではないといわれ、もっと低い音だというのです。

これはモーター音の低周波音100HZ以下の周波数の音に耳が敏感に反応してしまう低周波騒音公害とわかりました。

音は常温で1秒間に340m伝わります。

100HZの音は音の疎密波の波頭から次の波頭の波長の長さが3.4mのことです。

海の波でいうと波頭と波頭との長さが長いほど防波堤を乗り越えるほどのエネルギーがあります。

だから低周波騒音はなかなか止めにくい性質があります。

奥様とじっくり話していると横になり寝ている時に感じるそれも配管のお湯の流れの音みたいだというのです。

これは振動の固体伝播だと思い室外機とタンクの配管を調べてみると基礎、外壁サイディングの水切り鉄板に配管が接触していました。

メーカーさんには室外機をもっと前に出しこの配管がこれらに触れない施工をやり直してみてください、それに室外機の架台の脚の犬走りとのゴムが硬いので柔らかい防振コムを間にはさんで見てくださいとアドバイスしました。

音の伝播は空気伝播と固体伝播の2通りの伝わり方があります。

鉄は空気の10倍以上の速さで伝わります。

基礎には鉄筋があるので土台、大引き、柱、間柱、2階の床フロアと音が伝播してしまうのです。

まず音の伝播経路を考え、防振ゴムや柔らかい緩衝材で縁を切ることが基本です。

メーカーの担当者も深夜凍結防止運転のモーター音も振動で伝わっているかもしれないので一度実験的に止めて様子をみますといわれました。

私は奥様にやることはやってそれでも音で寝れない時は電気温水器に換えて下さいとお話しました。

このような低周波に敏感に反応してしまうのはその人の体質的なことがあります。

まず住宅の営業マンはこのような音に敏感な人かどうかを営業トークのなかでお聞きしてそのような人には電気温水器を勧める必要があります。

なお、写真は一般的な施工の写真でこの記事の住宅の写真ではありません。
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