
写真は石油温水暖房機とガス給湯機です。
築3年の新しい住宅です。
3年たってから後の家の人からやかましいとクレームがつきました。
なぜ3年もたってから?と思い騒音測定をしました。
国の環境基準は下記の通りです。
地域 昼間 夜間(午後10時〜翌日午前6時)
AA 50dB(A)以下 40dB(A)以下
A及びB 55dB(A)以下 45dB(A)以下
C 60dB(A)以下 50dB(A)以下
AA 療養施設、社会福祉施設等の特に静穏を要する地域
A 専ら住居の用に供される地域
B 主として住居の用に供される地域
C 相当数の住居と併せて商業、工業等の用に供される地域
ガス給湯器のカタログには48dB(A)
石油温水暖房機のカタログは40dB(A)です。
ガス給湯器の騒音は隣地境界線(0.6m)上で53dB(A)
石油温水暖房機は隣地境界線(0.45m)上で52.5dB(A)
AB地域の夜間の環境基準45dB(A)ですから、ガスが8dB、石油が7.5dBオーバーしていました。
まずメーカーの騒音値は無響室で音源から1m離れた測定数値が基準になっています。
現場の設置位置が1m以内のため当然境界線上では騒音値が大きくなります。
このことを住宅設計担当者知っていないといけませんね。
距離減衰(点音源)の方程式 L0音源 L減衰量 r距離(m)
L=L0−20logr log2=0.3
音源から2m離れた場合の減衰は20×0.3=6dB(A)
となります。
3年経過したことで燃焼モーターの音が大きくなり近隣の住民がうるさく感じるようなった。
メーカーの騒音値は初期の数値であり、3年たつと約5〜6dB(A)音が大きくなっています。このことを考えると隣地境界より最低2m以上離した位置につけると安全ですね。
距離がとれない場合は防音壁や給湯機の噴出し口以外をサイディングなど遮音度の高いもので囲い内側に生の板状断熱材つけると
かなり遮音、吸音ができます。
エアコン、エコキュートの室外機も同じことが起こります。
古くなって音が大きくなる時のことも想定して設計しましょう。
この測定した家の人は室外機の配管位置をずらす事になりました。
大変なお金がかかります。
私はもともともと音が専門ですが防音コンサルタントの仕事が少なく、高気密高断熱関係の温熱環境の方の仕事をすることになりました。
気密については音も温熱も共通していますね。
どちらも環境がテーマで奥が深いです。
posted by 山男のつぶやき at 00:35
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騒音と防音