2013年11月18日

低炭素住宅の面倒な通風回数計算


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福井の設計事務所さんから低炭素認定住宅の外皮U値計算と1次エネルギー消費量計算の依頼を受けました。すべて計算して提出すると、福井県土木部建築住宅課の審査官から、1次エネルギー消費計算の通風計画の通風回数の計算根拠を出してください、と指摘がありました。

通風回数とは、通風により夏場のエアコンの使用量を少なくしてエネルギーの消費量を減らそうというものです。

「通風を利用しないと」も申請できるのですが、計算結果が悪くなるので、窓があれば「通風あり」とした方が妥当だと思います。

一つ居室に2面に窓があればわりと計算は楽ですが、1箇所しかない場合は少し面倒です。

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その部屋の横にローカがあり室内の木製建具で仕切られて、そのローカの外に窓がある場合は通風可能開口面積を床面積で割り、「開口可能床面積比」を計算しなければなりません。

それぞれの外部に面する窓の開口可能床面積比、中仕切り建具の開口可能床面積比を計算し、床面積比は1/20以上多くないと不可となります。一つの部屋の2面に窓がある場合は床面積比は1/35以上と決められています。

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このパターンに当てはまらない窓の場合は難しい実行面積比の計算式でしなければならないのです。

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また「通風を確保する処置の有無の判定シート」で証明する方法もあります。

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今回は「面積比の表による確認」で計算し提出しました。

低炭素1次エネルギー消費量計算で面倒なのはこの通風回数計算です。
皆さんはここを「通風を利用しない」で申請しているようですが、やはり窓がある以上、実態にそった計算をすべきだと私は思います。

今回の低炭素認定住宅の外皮U値計算と1次エネルギー消費量計算で計算根拠書や図面、高効率設備機器の性能データーなど全部で40枚にもなりました。

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低炭素計算は温熱Q値計算よりは楽にみえますが、このよう添付書類が沢山必要でかなり時間がかかります。
posted by 山男のつぶやき at 08:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | 低炭素住宅
2013年10月03日

温熱Q値計算、低炭素外皮U値計算の依頼が集中


消費税が上がる前に家を建てようという人が多くなり、このところ私みたいな零細な自営業でも忙しくなりました。

連日の気密測定で今日も金沢で午後から測定です。

その忙しい中、今度は温熱Q値計算依頼が3軒、低炭素認定住宅の外皮U値計算1次エネルギー計算依頼が1件、いっぺんに4物件の計算の仕事が入り、とてもありがたいのですが、提出期限があり、毎日夜12時近くまでパソコンと図面の睨めっこしています。

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消費税が上がり来年はどうなるかわからないので、今頑張らばなければなりません。

でも何で計算依頼が4件も集中するのだろう?不思議ですね、ばらばら1件づつ分けてくれば楽なのですが・・・。
posted by 山男のつぶやき at 08:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 低炭素住宅
2013年07月06日

外皮平均U値計算と低炭素1次エネルギー計算


住宅会社から182m2(55坪)もある大きな住宅のお施主様から、国の低炭素住宅の認定を受けて建てたいという要望があり、外皮平均U値計算と低炭素1次エネルギー計算をしました。

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低炭素住宅の認定をされるとローン減税となり、お施主様には大きなメリットがあります。

温熱Q値計算は総熱損失量を床面積で割りますが、外皮平均U値は総熱損失量を外壁、天井又は屋根、床、又は一部基礎の面積(高さが基準以上の場合)で割ったものです。 北陸は0.87w/m2k以下が認定基準です。

計算結果は0.76w/m2kで適合でした。次にU値計算から、国の低炭素認定のための1次エネルギー計算をしなければなりません。

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暖房、冷房、換気、照明、給湯と太陽光発電有無などの設備機器高効率の仕様を入力します。

計算結果は基準エネルギー消費量99.7GJ/年に対して86.8GJとなりました。基準達成OKでした。

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今年の10月1日から住宅の省エネ基準の大幅改正があり、温熱計算方式がQ値計算から外皮平均U値計算となります。

壁、屋根、天井、床、基礎などの各部位の熱貫流率を入れないと計算してくれませんので、結局はQ値計算と同じ計算の過程をすることになります。

外皮平均U値計算はQ値計算ができると簡単ですが、できない人には難しいかもわかりませんね。

CO2削減、省エネのためには、工務店、住宅会社、設計事務所は温熱環境を考えなければならない時代となりました。。
posted by 山男のつぶやき at 06:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 低炭素住宅
2013年05月10日

低炭素外皮U値計算ソフト


富山県高岡市の住宅会社の方から、お客様が国の低炭素住宅で申請したいので、外皮U値計算ができないかと連休前に言われました。

CO2の少ない省エネ住宅に、国がローン減税の税制面優遇政策を促進するいま一番新しい国の住宅支援事業です。

この制度の受け付けは今年の10月1日からです。
今までの住宅エコポイントや、長期優良住宅、ゼロエネルギー住宅の申請は断熱材の厚み、サッシの性能などの仕様規定か、温熱Q値計算をして申請ができました。

私はこれまで70物件以上の温熱Q値計算で工務店、住宅会社、設計事務所のお手伝いをして公的審査機関の適合証明を通してきました。

平成11年度の省エネ住宅基準が今年24年の大幅改正されQ値計算から外皮U値計算で申請することになりました。

今までは住宅の総熱損失量を床面積て割っていましたが、今回の改正は屋根又天井、外壁、床下、基礎など断熱部位面(熱的境界)の外気に接する面積で割る外皮平均U値計算です。
U値計算から比べるとそんなに難しくありません。

ただ1点Q値と違うのは日射取得の方位係数が、今まで5面の方位が、今度は冷房期と暖房期に分け、それぞれ8面の方位係数を入れることになり、より複雑で細かくなりました。

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国の住宅の省エネ基準を決める(財)建築環境・省エネルギー機構(IBEC)の基準マニュアルの本がまだ正式に発行されず、おそらく10月頃になるようです。

そのため民間の市販の計算ソフトは私の知る範囲ではありません。

外皮U値計算ソフトは国の(独)建築研究所かまたは、(社)住宅性能評価・表示協会の2つだけです。

高岡の住宅会社の方には連休中に外皮U値計算ができるかどうか、勉強してみるから待って欲しいとお願いしました。

今まで温熱Q値計算で申請で通したゼロエネルギー住宅の134.5m2の住宅を、住宅性能評価・表示協会の外皮U値計算ソフトで計算してみました。

この外皮U値計算ソフトは使い易く楽ですが、問題点が出ました。

サッシの項目で7箇所以上は入力ができません。エクセル計算ですが、行を増やすことができないのです。それに市販のソフトでしたら同じ品番のサッシがあれば×2とかできましたが、このソフトは同じ品番のサッシが何箇所あっても、すべてを一つ一つ入力しなければならないのです。


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(独)建築研究所の外皮U値計算ソフトはサッシの項目が全部で29入力ができますが、やはり行の追加機能がついていないのです。

たまたま134.5m2の住宅は最大1面サッシが7セットだったので外皮U値計算ができました。

それにこの外皮U値計算ソフトは各部位の熱貫流率の数値をいきなり入力しなければならず、温熱Q値計算のできる人には難しくはないのですが、それができない人には難しいかもしれません。


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次に外皮U値の計算結果から、低炭素住宅の1次エネルギー申請書式の計算までしてみました。結果はOKでした。

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連休明けに、高岡の会社から申請したい図面を貰い、計算しようとしてみると、1面11箇所も窓がありサッシ全体でも31箇所もあるのでこのソフトで計算ができませんでした。

一面11箇所のなかにはサッシの品番が同じものがたくさんあり、×6などの機能があればできるのですが、そこまで考えていないソフトなので残念です。もっといろいろな図面や条件に対応したソフトを考えて欲しいですね。

日射取得の方位係数が非常に多く複雑になり、手計算すれば膨大な時間がかかります。又、自分では複雑なエクセル表計算をとてもつくることができませんので、やはり10月まで市販のソフトを待つしかないのかなと、ちょっと悔しいです。
posted by 山男のつぶやき at 07:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | 低炭素住宅
2013年01月08日

新年挨拶、ゼロエネ、低炭素住宅の話で持ちきり


昨日は新年の挨拶回りで福井県、石川県加賀、小松までフルに取引先の住宅会社、工務店周り、建材店周りをしました。

建材問屋は挨拶だけでいつもはさっと終わるのに専務さんから、ちょっと福田さんと声をかけられ、「実はゼロエネ、低炭素の資料があれば今度福井にこられるときもって来てもらえないか」と言われました。

温熱環境が私の専門なので「こちらこそ喜んで御手伝いします」と応えました。
得意先ではゼロエネルギー住宅、低炭素住宅の話題でいっぱいでした。

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まわっている途中、富山の工務店から気密断熱、ゼロエネルギーについて施主さんから教えて欲しい、私ら詳しくないのでこちらの事務所に来てお客さんに説明してもらえんかという電話です。

また金沢の住宅会社の社長からゼロエネの図面が変更になり明日事務所の来て欲しい、見積もりと、温熱計算を頼むとの電話です。

今では施主さんの方がゼロエネ、低炭素の情報を知る時代です。工務店、住宅会社も受注するためには勉強しなければと真剣ですね。

今年はやりがいのある年になりそうです。
posted by 山男のつぶやき at 06:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 低炭素住宅
2012年12月22日

国交省の低炭素住宅の研修


昨日は石川県の地場産業会館で国交省の低炭素建物研修(戸立住宅編)を受けてきました。

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低炭素化促進法にもとずき12月よりスタートしました。

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先ず住宅の総熱損失量を床面積で割っていた温熱Q値計算から、総熱損失量を外皮で割る外皮平均UAに計算の基準値が変更になります。

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この計算は新省エネ基準が決まる予定の4月から発足します。

次に今までは住宅の躯体の断熱性能を重視していましたが、今回はその中に使う設備機器の高効率機器でいかにエネルギーを少なくするかは求められます。

高効率の設備機器をの1次エネルギー計算をしなければなりません。

1次エネルギーとは石油、石炭、ガス、ウラン、木材などの電気、ガス、灯油など2次エネルギーを造るための元になる熱量が1次エネルギーです。

低炭素住宅はこの新基準をまだ10%クリヤーし、なおさら8項目の選択条件の中から2項目の選択条件をクリヤーしなければなりません。

8項目とは
@節水機器設置 A雨水、井戸水、雑水利用 BHEMSの導入 C定置型の蓄電池の設置 D敷地緑地化などのヒートアイランド対策 E住宅の劣化対策等級3クリヤー F木造住宅 G高炉セメントまたはフライアッシュセメント使用

低炭素住宅のメリットはなんでしょうか。

一般より手厚いローン減税、登録免除税の軽減、贈与税控除や容積率緩和などおもに税制面の優遇処置があります。

この基準のマニアルの本にはかなり細かい規定があり相当勉強しないとついていけないと思いました。

会場には石川県の主だった住宅会社や設計事務所の人が来ていました。顔見知りの人も大勢来ておりこの低炭素住宅の関心が高いことを感じます。

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posted by 山男のつぶやき at 07:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 低炭素住宅
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